【勉強の壁】自分のやり方が正しいのか、間違っているのか、わからなくなったときの対処法

目的を持って勉強していても、それが結果として表れないと、今までやってきた自分の勉強が正しいのか、間違っているのか、わからなくなってしまうことってありませんか?

特に受験勉強にがんばっていると、思うように実力が上がらず、壁にぶち当たることはよくあります。そのようなときには、もがいているうちに時間だけが無常に過ぎ去ってしまうような、無力感を感じるかもしれませんね。

そのようなときの対処方法を考えていきます。

勉強の壁の正体

実は、その「壁にあたった」という事実は、今まで勉強してきたことが正しかったという証でもあるのです。

がんばっていなければ「壁」には到達できず、どこまで行っても手応えが感じられません。どうしても動いてくれない「壁」のようなものが感じられるのは、今まで努力して押し続けてきた、その反作用でもあるのです。

ですから「勉強の壁」に当たるのは決して悪いことではありません。確かにがんばってきたからこそ、この壁に当たることができたのです。

勉強の壁に当たったときはどうする?

しかし、その壁に当たったレベルが、自分が目標としているレベルと比べて、はるかに低いものであれば、誤った道を選んでしまったように感じても不思議はありません。

もがいている時間が長くなればなるほど、それだけで自信をなくす原因にもなります。

壁に当たったときは新たな道を切り開く必要があります。焦る気持ちもわかりますが、ちょっと立ち止まって考えてみてはどうでしょうか。

このときのポイントは徹底して客観的になることです。

自分を客観的に見直す方法

自分を客観的に見直すのは、とても難しいことです。でも壁に当たったときには、どうしても冷静になって自分を外から眺める必要があります。

その具体的な方法を説明していきます。

勉強しない

勉強に行き詰まっている状態で、そのまま勉強を続けていても決してよい結果は現れません。勉強から距離をとって考えた方が冷静になれます。

そのためには勉強とはまったく関係のないことをして気分転換を図りましょう

その気分転換は、できる限り普段の生活から切り離せるような体験であるべきです。ですから普段からやっているような、ゲームとかコミックとかではダメです。

例えば、旅行とまではいかなくとも少し遠い場所に出かけてみたり、友だちと遊園地ではしゃいでみたり、映画館で映画を見たりする方がいいのです。つまり非日常的な行動をするのです。

部屋の掃除をする

客観的になるには、今まで頭の中に積もってしまった情報を整理する必要があります。捨てると言った方がいいかもしれません。

そのための方法でおすすめなのが自分の部屋の掃除です。

これを聞いて笑ってしまう人がいるかもしれませんね。でも新規まき直しをするには、これはとても良い方法なのです。

身の回りをすっきりさせると、頭の中もスッキリしてきます

勉強に関して言うと、今まで使ってきたノートや参考書をきれいに整理すると良いのです。できるならば、すべてをクローゼットの中や段ボール箱にしまって視界から隠すと、もっと効果的です。

そして勉強机の上には何もない状態にします。この状態から先のことを考えます。

弱音を吐く

何事にもポジティブに考えるのは良いことですが、しかし、それも度が過ぎると、前のめりになりすぎて、かえって自分や周りが見えなくなることがあります。

いつも頑張ろうと気を張っていれば、それが逆に自分へのプレッシャーとなり、思うように行動が取れなくなるのです。

ですから思い切って弱音を吐いてみましょう。できれば信頼できる友だちや知り合いに聞いてもらうのがいいのですが、それができなくても声を出して言ってみるのが効果的です。

これをやるには、自宅などでは誰かに聞かれてしまう危険性があるので、人があまりいない海辺や河原がいいかもしれませんね。

口に出して言うのは客観的になるために有効です。頭の中だけで考え込んでしまうと、かえって落ち込んでしまうのでやめましょう。

相談される側が解決策を提示したりせず、ひたすら聞き役に徹すると、相談した相手は、話しているうちに自分で解決策を考え出していることってよくあります。

相手に話すことによって自分の頭の中を整理しているのですね。

自分を自分で叱る

今の時代は「褒めて伸ばす」ことが横行しているので、ほとんどの人は怒られたり否定されることが怖くてしかたありません。自分自身に怒りを向けることさえ躊躇させます。

しかし、ここはひとつ自分叱ってみましょう。叱れば叱るほどダメな自分が分離し始めます。

不思議なもので、叱られてしょげ返った自分が目の前に現れると、その自分をどうにか元気付けたくなります。

考えられるだけダメ出しをした後には、「じゃあ、こうしたらいいのではないか」と解決案を示したくなります。

「叱咤激励」とは大声で励ますことですが、叱咤は大声で怒ることですから、「叱る」が「応援」に変わるのは自然の流れです。

どのような点が不満なのか、どうしたいのか、勉強の壁の本質を書き出してみる

上記のようなことをして自分が客観的に見えてきたら、これまでの状況をできるだけ具体的に書き出してみます。

特に大切なのは、できなかったことより、できたことの把握です。

いくら勉強に行き詰まっていても、少なからず成果はあったはずです。

半年前や3ヶ月前に比べて、今できるようになったことは、自分が考えている以上に多いのではないでしょうか。

勉強の成果は勉強の量と比例して現れるのではありません。最初はジリジリとして動きが無かったとしても、あるときから急カーブを描いて突然成果が現れたりします。

今まで地道に勉強してきたのなら、成果が現れなかったとしても、それはその急カーブの手前の状態かもしれないのです。

ここまでやってきてできるようになったことは素直に成果として受け入れましょう

それを肯定することで、この先勉強をする原動力となります。

具体的な勉強計画の再建

ひと通り不満や弱点が見えてきたら、それを解決させる具体的な方法を探していきます。

目標を再確認する

あなたは今一体何のために勉強しているのでしょうか?

受験勉強ならば志望校の合格が目標となるでしょうし、検定試験ならばその合格を目指しているはずです。

もう一度その目的の重要さを確認しましょう。意外なほどそれを忘れている場合があります。原点に戻って考え直すのです。

目標達成までの期限を確かめる

目標達成までに、あとどれだけの時間が残されているでしょうか?

この時間設定で注意したいのは、現在から未来を考えると「まだ時間があるから大丈夫」と安心してしまうことです。

時間設定は未来からみて現在を決めていきます。例えば半年先の自分からみて現在は何をやるべきなのかを決めるのです。

大学受験なら受験当日から逆算し、その1ヶ月前にはこうなっている、3ヶ月前にはこれができているなど、カレンダーを逆にめくっていきます。そして現在まで戻り、いま何をやらなければならないのかを考えます。

一点集中の勉強をしてみる

成果がなかなか現れないと勉強のモチベーションが低下します。

勉強はコツコツと時間をかけてやるものだという意識が強ければ、その成果が現れるのも時間がかかってしまいます。

ひとつの科目や、またはひとつの科目の中の一分野だけでも成果として実感できれば、この先のモチベーションを立て直せます

例えば英語なら単語の暗記だけを1ヶ月集中して勉強し完璧にしてしまうとか、数学ならベクトルだけは2週間でマスターしてしまうなど、一点集中の勉強をしてみます。他の勉強は思い切って後回しにします。

このときのコツは、少しも妥協を残さないほど完璧を目指すことです。

1ヶ月や2週間が辛ければ1週間でもいいので一項目を徹底的に攻略してみましょう。

これで成果が実感できるようになれば心配はありません。あとは時間管理をして全項目を制覇するだけです。

ちまちまやっているので成果が出ないことってあります。集中してひとつでも成果が上がれば他だって成果が上がらない訳はありません。

信頼できる指導者に客観的に判断してもらう

何度も言いますが、客観的に判断するのは、とても難しいものです。

できれば信頼できる指導者にその評価を依頼する方が、もっとも効率的でしょう。

勉強は、とても個人的なものなので、どうしても独りよがりになりがちです。

勉強のやり方は色々ありますが、それを全て知っているわけではありませんし、知っていたとしても全部を試す訳にはいきません

勉強のやり方を調べて、見つかった方法をその都度試行しても、結果がわかるには時間がかかってしまうのです。

しかし学校の先生や塾の講師、熟練した家庭教師などの勉強のプロなら、あなたの状況を見てもらうだけで、その問題点と解決方法を示すことができるでしょう。

でも、誰かに相談するにしても、今までの状況を的確に説明する必要があります。自分を分離して、分離した自分を客観的に眺められることが打開策を見つけられる条件です。

もうひとつの意外な壁

勉強のやり方は自分で解決していく側面があります。自分で解決するには客観性が重要です。壁に遮られたら、ちょっと立ち止まって考える必要があるのです。

そのためには、勉強から少し距離を置くのがいいのだとお伝えしてきました。

しかし、それを困難にする意外な壁があります。

それは親とのコミュニケーション不足です。

親とのコミュニケーションが十分取れていれば、勉強について、とやかく言われる場面は少なくなります。

そのような親は子どもを信頼しているからです。

子どもの方でも率直に今の状況や悩みを親に打ち明けるので、今がどのような状況なのか、そのために何をしようとしているのか、親も子も同じ意識に立てるのです。

しかし親とのコミュニケーションが不足していると勉強のやり方について自主的に考える余裕がなくなります

もし勉強から距離を置こうと、いきなり机まわりからノートや参考書を片付け始めたら、親はどう思うでしょうか?

もう勉強を諦めてしまったのではないかと心配してしまいます。

そこまでしなくても子どもが勉強をせずにぼーっとしていたら、親は思わず子どもを叱りつけてしまうかもしれません。

「なにやっているの!はやく勉強しなさい!」

親からすれば机に向かって一心不乱に勉強している姿を見て安心したいのですね。

子どもにしても、そんなふうに叱られるのはイヤだし、親に心配かけるのもイヤなので、思い切った切り替えができません。ズルズルとそのままの状況を引きずってしまうのです。

第三者を介入させて勉強について客観性を保つ

自分ひとりで悩んでいたり、親から心配されて重荷になったりしたら、信頼できる第三者に入ってもらって客観的な評価をしてもらうといいと思います。

その第三者から客観的な問題の指摘とその解決策が示されれば親も子も納得することができるでしょう。

勉強を教えるだけと思われがちな家庭教師は、実は納得できる勉強方法を提供する第三者としての役割が非常に高いのです。実際、わたしはそのように仕事をしています。

まとめ

勉強がうまく捗らず停滞してしまったときは少し立ち止まって自分を客観的に眺める必要があります。そして具体的な対策を考え実行に移します。しかし自分だけで客観的に眺めるのは難しいかもしれません。だったら自分を(少なくとも勉強に関して)さらけ出せる人を探しましょう。その人から客観的に問題点を指摘してもらい解決策をいっしょに考えればいいのです。家庭教師はその候補のひとりです。