プロフィール

こんにちは、家庭教師の「カピバラ」です。

わたしは家庭教師の仕事を20年以上続けています。これだけ長く教えていると、子どもたちの理解を容易にする工夫がそれなりに蓄積されてきます。

でもそのノウハウは、このまま教えて続けていても、いつまでも残ることはないのですね…。

家庭教師という職業は横のつながりがあまりありません。自分のノウハウを誰かに伝えたいと思ってもその機会が少ないのです。

それらをまとめてみようと、このブログを始めました。

ここに書いた記事の内容が少しでも誰かの役立ってくれたらとても嬉しいです。

家庭教師って仕事

家庭教師って変わった仕事だな、と思うときがあります。

一般的に家庭教師は、教える子どものご家庭を訪問し、そのまま家の中に入って子どもに勉強を教えるているわけです。

家族でもなければお客でもない。それなのに短かければ1時間、長ければ2時間以上に渡って他人の家に居座り、子どもに勉強を教えているのです。

しかも1回や2回だけでなく、長ければ3年以上に渡ってそのご家庭に通い続けます。

決して家族になれるわけはありません。友だち関係とも違うでしょう。しかし人と人としての付き合いが長くなれば、お互いに気心が知れてきます。すると、どうしても勉強以外の事情にも触れなければならなくなります。

それは学校のことだったり、親子関係についてだったり、いじめ問題だったり、進路だったり、いろいろです。

家庭教師だからといって勉強だけを教えていればいいわけにはいかず、どうしてもその背景を考える必要が出てくるのです。

あるときはカウンセラーのような、あるときはコンサルタントのような、そんな役割をしているのに気づくときがあります。

お父さんお母さんの子どもに対する愚痴を長いこと聞かされることもあります。もちろん親に対する子どもの気持ちも知っています。その仲介役をしなければならないときがあります。

こんな仕事って他にあるでしょうか?

教えるのが楽しい訳ではない

わたしは決して教えるのが好きではありません。

「では、なぜ家庭教師なの?」と訊かれてしまいそうですが、それは教えている行為そのものではなく、教えた結果、少しでもいい方向にその子が成長してくれるのが嬉しいからです。

子どもたちが勉強で悩んでいるとき「こうすればいいんだよ」と教えただけで「そうか、わかった!」と目を輝かせてくれたときの喜びは、たしかに変え難いものです。

でも、それだけだったら家庭教師でなくてもいいのかなと思います。塾の講師でもいいですね。

子どもの成長を見られるのは嬉しい

勉強が苦手になってしまい「自分はあたまが悪いんだ」と意味もなく思い込んでいる子によく出逢います。

そんな子が「いつからだってやればできるるようになるんだ」と思って自信喪失から脱去してくれたら嬉しいのです。

これまでのわたし

わたしは太平洋側のある港町で生まれ育ちました。

子どもの頃から背は低く痩せていてスポーツは全く苦手でした。ひどく人見知りだったので人と話すのも苦手でした。

小学校の頃は家で勉強する習慣がまったくなく宿題さえやろうとはしませんでした。でも家に写真や絵が豊富に載っている「子ども百科事典」があって、それを時折り眺めてはいました。

中学に入っても勉強をやる意味すら理解できず定期テストの前に少しだけ手をつける程度でした。

そんな具合でしたから高校受験も全くやる気はなく、どうにか入ることのできる私立の高校に入りました。

大学に行きたい

このころ親が離婚しました。経済的にもたいへんになって、わたしは父親の祖父母に面倒をみてもらうようになりました。

この先どうなってしまうのだろうと心配する日々が続きました。嫌でも自分の将来を考えるようになり、自立するにはどうしたらいいのか考えました。

そのうち大学には行きたいと思うようになりましたが、その学費を祖父母に頼むわけにはいかず、自力で大学に行けないものか考えました。

地元の国立大学なら学費の面でも自宅から通える面でもどうにかなると思いました。しかしそれまで率先して勉強したことがなかった私にとって国立大学を目指すのは無謀と思えるほどでした。

しかし塾や家庭教師など経済的に無理だったので自学自習でがんばるしかありません。

勉強の正しいやり方を知らないわたしは、やみくもに問題集を解いたり、効率の悪いノート作りばかりをしていました。いま考えれば当たり前なのですが、そんな勉強では全く結果が出ませんでした。結果、現役合格はできず浪人してしまいました。

もう後がない

いくら勉強しても成績が上がらない状況で浪人すると気持ちばかりが焦ってしまい、それと反比例するようにやる気を失っていきます。

浪人した5月ごろだったと思います。まったく勉強する気を無くしてしまったわたしはパチンコにハマってしまいます。朝から晩までパチンコ屋に入り浸りです。そんな状態が夏まで続きます。でも大学を諦めるつもりはありませんでした。