【接尾語】英単語の品詞がわかる

英単語の成り立ち

覚えた単語が増えてくると、かたちの上で共通点がある単語を多く発見できるようになりますね。それは単語を成り立たせている「部品」が同じ場合があるからです。この英単語を成り立たせている部品のことを「語源」と呼びます。

ひとつの英単語は、漢字の「偏(ヘン)」や「旁(ツクリ)」のように、意味を持った「部品」すなわち「語源」に分けることができるのです。

覚えた単語が増えてきたら一度「語源」に従って整理してみましょう。すると、ばらばらだった単語どうしを結び付けられるようになるばかりか、新たな単語を覚えるときの手助けにもなります。

ただし、ひとつだけ注意点があります。それは、英単語は漢字のように見た目で意味を表す「表意文字」ではなく、発音を表す「表音文字」である点です。

ですから英単語を覚える際には、漢字練習のように「文字」として増やすのではなく、あくまでも単語を「音」として覚え、その音から文字にする意識を忘れてはなりません。

ここでは接尾語によって品詞が変わる例と共にアクセントについても解説していきます。なお、アクセントについては派生語以外でも説明を加えています。

語源の種類

英単語を分解すると「接頭語」「語幹」「接尾語」に分けることができます。そして、それぞれに役割があります。

今回は品詞の判定に必須な接尾語について説明していきます。

形容詞、名詞をつくる接尾語

-able 形容詞

接尾語 -able は主に動詞について形容詞を作ります。そのとき元の語の語尾のつづりが変化する場合があります。

「〜できる」

ふつう 接尾語の -able で「可能」を表す場合、受動的な意味になります。

move → movable 動かせる

能動的に表すのであれば、-ing をつけます。

a moving pavement 動く歩道

「〜するべき」

regret → regrettable 惜しむべき、残念な

「〜に適した」

read → readable 読むのに適した

「〜しやすい性質の」

change → changeable 変わりやすい

ところで -able で終わっている形容詞でも、それを取り去ったら必ず動詞になる訳ではありません。

unbelievable 驚くような(「unbelive」 という動詞はない)

-able のアクセント

アクセントは、接尾語 -able がついても、元の語の位置と変わらないのが原則です。

re-márk → re-márk-able めざましい

しかし例外もあります。

-able アクセントの例外

compáre → cómparable 同等の
prefér → préferable 好ましい 
admíre → ádmirable 賞賛すべき

など

-al 形容詞、名詞

接尾語 -al は名詞について形容詞を作ります。

「〜の、〜な」

accident → accidental 偶然の

接尾語 -al は動詞について名詞をつくるときもあります。

arrive → arrival 到着

-al のアクセント

-al で終わる語が2音節なら、ふつう先頭の音節にアクセントがあります。

fí-nal 最後の

2音節 -al の例外

ca-nál 運河

名詞について形容詞をつくる接尾語 -al のアクセントは、-al の直前2語を飛ばした後の母音にアクセントがあります。

sen-ti-mén-tal 感傷的な

子音ふたつ -al の例外

ín-ter-val 間隔

動詞について名詞をつくる接尾語 -al は、元の動詞のアクセントを変化させません。

sur-víve → sur-víval 生存

-ful 形容詞、名詞

接尾語 -ful は名詞や動詞について形容詞をつくります。

「〜でいっぱいの」「〜の性質を持つ」「〜しがちな」

wonder → wonderful すばらしい

また接尾語 -ful は名詞について名詞をつくるときもあります。

spoon → spoonful スプーン1杯

-ful のアクセント

アクセントの位置は、接尾語 -ful がついても、元の動詞の位置と変わらないのが原則です。

méan-ing → méan-ing-ful 意味深い

-less 形容詞

接尾語 –less は名詞について形容詞をつくります。

「〜のない」「〜を欠いている」

harm → harmless 害のない

接尾語 –less は動詞について形容詞をつくるときもあります。

「〜できない」「〜しない」

tire → tireless 疲れない

-less のアクセント

アクセントの位置は、接尾語 -less がついても、元の語の位置と変わらないのが原則です。

dóubt → dóubtless 疑いなく

-ic 形容詞

接尾語 -ic は名詞について形容詞をつくります。

「〜的な」

optimist → optimistic 楽天的な

-ic のアクセント

アクセントは接尾語 -ic の直前の音節にあるのがふつうです。

a-cád-e-my → ac-a-dém-ic 学問の

ただし例外もあります。

-ic アクセントの例外

Cáth-o-lic カトリック教会の
pól-i-tic 思慮深い

Cáth-o-lic カトリック教会の
pól-i-tic 思慮深い

-ical 形容詞

接尾語 -ical は名詞について形容詞をつくります。

「〜のような」「〜的な」「〜に関する」

type → typical 典型的な

ところで接尾語 -ic と接尾語 -ical はどちらも名詞について形容詞をつくりますが、同じ名詞についたとき、それぞれ意味が異なるものがあります。

economic 経済の  economical 経済的な

-ical のアクセント

もとの名詞に接尾語 -ical がついた語は、ふつう接尾語の前の音節にアクセントがあります。

méd-ical 医学の

接尾語 -ic, -ics, -ical, -sive がついた語はふつうそれらの接尾語の直前の音節にアクセントがあります。

-ous 形容詞

接尾語 -ous は名詞について形容詞をつくります。

「〜を持つ」「〜の多い」「〜性の」

harmony → harmonious 調和した

-ous のアクセント

-ous で終わる語は、ふつう接尾語の2音節前にアクセントがあります。ただし2音節の語は接頭語にアクセントがあります。

ób-vi-ous 明白な

-ous アクセントの例外

mo-mén-tous 重大な
tre-mén-dous ものすごい

など

-ate 形容詞

接尾語 -ate は動詞について形容詞をつくります。

「〜のある」「〜された」「〜する」

consider → considerate 思いやりのある

接尾語 -ate は形容詞について動詞もつくります。(後述)

-ate のアクセント

接尾語 -ate がついた語のアクセントは次のようになります。

2音節の場合、形容詞は接頭語にアクセントがあります。(動詞は接尾語にアクセントがあります。)

prí-vate 私的な

3音節以上の場合、形容詞、動詞とも接尾語 -ate の2音節前にアクセントがあります。

dél-i-cate 壊れやすい

-ing 現在分詞(形容詞)、動名詞(名詞)

接尾語 -ing は動詞について現在分詞動名詞をつくります。

現在分詞は、名詞を修飾したり(限定用法)、補語になりますが(叙述用法)どちらも形容詞と同じ性質です。よく使われる現在分詞は形容詞として扱われます。

「〜している」

excit → exciting 興奮させるような

また動名詞も、よく使われるものは名詞と扱われるものが少なくありません。

draw → drawing 絵

-ing のアクセント

接尾語 -ing はもとの語のアクセントを変化させません。

接尾語 -ing, -er, -ly, -ful などがついた語は、もとの語があって、それから派生した語が多くあります。その場合、アクセントの位置はもとの語の位置にあります。

-ive 形容詞

接尾語 -ive は動詞について形容詞または名詞をつくります。

「〜に関する」「〜の傾向を持つ」

act → active 活動的な

名詞

detect → detective 探偵

-tive のアクセント

-tive がつく2音節の語は接頭語にアクセントがあります。

ná-tive 出生地の

3音節以上で、子音+ -tive の語は、接尾語の直前の母音にアクセントがあります。

at-trác-tive 魅力的な

3音節以上で、母音+ -tive の語は、接尾語の2音節前または3音節前にアクセントがあります。

rél-a-tive 相対的な(2音節前)

in-í-ti-a-tive 主導権(3音節前)

母音+ -tive アクセントの例外

cre-á-tive 創造的な

このように接尾語 -tive がついた語のアクセントは複雑な傾向で例外もあるので、その都度覚えた方がいいかもしれません。

-sive のアクセント

-sive がつく語は、接尾語の直前の音節にアクセントがあります。

im-prés-sive 印象的な

-ent 形容詞、名詞

接尾語 -ent は動詞について形容詞をつくります。性質や状態を表します。

また「〜している人」という名詞をつくるときもあります。

「〜している」

depend → dependent 頼っている

「〜している人」

reside → resident 住民

-ent のアクセント

元に動詞があり、その派生語として形容詞や名詞をつくるために接尾語 -ent がついている語は、ふつうもとの語の位置にアクセントがありますが例外もあります。

díf-fer → díf-fer-ent

-ent アクセント 例外

con-fíde → cón-fi-dent 自信にあふれた

このように例外も多いので -ent で終わる語のアクセントは、その都度覚えた方がいいでしょう。

-ence 名詞

接尾語 -ence はふつう動詞について名詞を作ります。状態や特質を表します。

differ → difference 違い

-ence のアクセント

元に動詞がありその派生語として名詞をつくるために接尾語 –ence がついている語については、ふつうもとの語の位置にアクセントがあります。

ただこれも例外があります。

派生語をつくる -ence アクセントの例外

pre-fér → préf-er-ence 好み
re-fér → réf-er-ence 言及
trans-fér → tráns-fer-ence 移動

-ent, -ence で終わる語が2音節なら先頭の音節にアクセントがある語が多いのですが例外もあります。また3音節以上の語は接尾語の1音節前にアクセントがあるものと2音節前にアクセントがあるものがあるので、接尾語 -ent, -ence がついた語のアクセントは、その都度覚えた方がいい印象です。

-ant 名詞、形容詞

接尾語 -ant は動詞につけて名詞をつくったり、行為や状態の特性を表す形容詞をつくります。

名詞「〜する人」「〜される物」

serve → servant 使用人

形容詞「〜な」

signify → significant 重要な

-ant のアクセント

元に動詞があって接尾語 -ant をつけてつくる派生語であっても、アクセントの位置が変化している語が少なくありません。

ig-nóre → íg-no-rant 無知の

これ以外にも接尾語 -ant がついた語のアクセントは様々なものがあり、例外も多いので規則性を見つけるよりも個々の単語で覚えた方が良いでしょう。

-ance 名詞

接尾語 -ance はふつう動詞または -ant で終わる形容詞について名詞をつくります。行動、状態、性質を表します。

appear → appearance 外見

important → importance 重要性

-ance のアクセント

元に動詞があって接尾語 -ance をつけてつくる派生語であっても、アクセントの位置が変化している語が少なくありません。

main-táin → máin-te-nance 整備

これ以外にも接尾語 -ance がついた語のアクセントは様々なものがあり、例外も多いので規則性を見つけるよりも個々の単語で覚えた方が良いでしょう。

-ee 名詞

接尾語 -ee は動詞について名詞をつくります。

「される者」「する者」

attend → attendee 出席者

-ee のアクセント

接尾語 -ee がつくとアクセントは接尾語に移ります。

接尾語 -ee, -een, -eer, -oo, -oon がついた語はふつう接尾語にアクセントがあります。

agrée 賛成する

betwéen の間に

caréer 職業

shampóo シャンプー

typhóon 台風

-ion 名詞

接尾語 -ion は動詞について名詞をつくります。動作、状態、結果などを表します。

collect → collection 収集物

-ion のアクセント

アクセントは接尾語 -ion の直前の音節にあるのがふつうです。

in-fórm → in-for-má-tion 情報

-tion, -cion, -sion, -gion で終わる語のアクセントは、これらの接尾語の直前の音節にあります。

an-i-má-tion アニメーション

sus-pí-cion 疑惑

ob-sés-sion 妄想

re-lí-gion 宗教

-ty 名詞

接尾語 -ty は形容詞について名詞をつくります。性質や状態を表します。

able → ability 能力

-ty のアクセント

-ity, -ety で終わる語はアクセントはその直前にあります。

e-quál-i-ty 平等  va-rí-e-ty 多様性

それ以外の -ty は接頭語にアクセントがあります。

díf-fi-cul-ty 困難

-ment 名詞

接尾語 -ment は動詞につけて名詞を作ります。動作、原因、手段、結果、状態などを表します。

pay → payment 支払い

-ment のアクセント

接尾語 -ment がついても、アクセントは元の動詞の位置と変わらないのが原則です。

an-nóunce → an-nóunce-ment 発表

-ness 名詞

接尾語 -ness は形容詞や分詞について名詞を作ります。状態、性質、程度を表します。

dark → darkness 暗さ

-ness のアクセント

接尾語 -ness がついても、アクセントは元の動詞の位置と変わらないのが原則です。

mys-té-ri-ous → mys-té-ri-ous-ness 不思議さ

-age 名詞

接尾語 -age は動詞について行為や状態、地位を表す名詞をつくります。

marry → marriage 結婚

-age のアクセント

接尾語 -age がついた語のアクセントはふつう接頭語にあります。

més-sage 伝言

しかし例外もあります。

en-gáge 引き込む

元の語から派生語をつくる場合、アクセントは元の位置です。

per-cént → per-cént-age 百分率

-er, -or 名詞

接尾語 -er, -or は動詞について名詞をつくります。

「〜する人(物)」

dancer ダンサー

screwdriver ねじ回し

governor 知事

escalator エスカレーター

-er, -or のアクセント

接尾語 -er, -or がついても、アクセントの位置は元の語と同じです。

-eer で終わる語のアクセントは接尾語にあります。

vol-un-téer ボランティア

pi-o-néer 先駆者

動詞をつくる接尾語

-ate 動詞

接尾語 -ate は動詞について形容詞、名詞をつくりますが、形容詞ついて動詞として用いられる例が多くあります。

active → activate 作動する

接尾語 -ate は動詞について形容詞、名詞もつくります。(前述)

-ate のアクセント

2音節の場合、動詞は接尾語にアクセントがあります。(名詞、形容詞は接頭語にアクセントがあります。)

re-láte 関係させる

3音節以上の場合、接尾語 -ate の2音節前にアクセントがあります。

ín-di-cate 示す

-fy 動詞「〜する」「〜化する」

接尾語 -fy は形容詞や名詞について動詞をつくります。

「〜する」

mode → modify 修正する

「〜化する」

just → justify 正当化する

-fy のアクセント

-ify, -efy で終わる語は、その直前の音節にアクセントがあります。

i-dén-ti-fy 確認する

それ以外の -fy で終わる語は -fy の2音節前にアクセントがあります。

sát-is-fy 満足させる

-ize 動詞

接尾語 -ize は名詞や形容詞について動詞をつくります。

「〜にする」「〜になる」「〜化する」「〜で処理する」

memory → memorize 記憶する

イギリスでは -ize ではなく -ise となりますが supervise 「監督する」のようにアメリカ、イギリスともに -ise を使う語もあります。

-ize, ise のアクセント

接尾語 -ise がついた語が2音節の場合、接尾語にアクセントがあります。

ad-víse 忠告する

ところで次の語は名詞ですがアクセントは接尾語にありません。

próm-ise 約束

接頭語 -ize または -ise がついた語が3音節の場合、接頭語にアクセントがあります。

réc-og-nize 認識する

もとに名詞や形容詞があり、それを動詞化するために接尾語 -ize をつけた場合、アクセントはもとの位置にあります。

a-pól-o-gy → a-pól-o-gize 謝罪する

-en 動詞

接尾語 -en は形容詞や名詞について動詞を作ります。

「〜にする」

sharp → sharpen 鋭くする

接尾語 -en は名詞について形容詞をつくるときもあります。

wood → wooden 木製の

このときの名詞は「物質名詞」です。

副詞をつくる接尾語

-ly 副詞

接尾語 -ly はふつう形容詞について副詞を作ります。

kind → kindly 親切に

接尾語 -ly は名詞について形容詞副詞をつくるときもあります。

 

fatherly 父親らしい(形容詞)

monthly 毎月(副詞)

 

-ly のアクセント

接尾語 -ly はふつう元の形容詞のアクセントの位置を変化させません。

ただし例外はあります。

ór-di-nar-y → or-di-nár-i-ly ふだんは 

-ary-ory で終わる形容詞につける場合は例外となるようです。   

まとめ

接尾語について単語をまとめると品詞の判別ができるようになります。ただこれも文字の特徴だけではなく音の特徴としても覚えましょう。