【受験勉強】ゴールまでの距離感を正確にする「メタ認知機能」を高めよう!

受験勉強を開始するには目標を設定する必要があります。

そして、その目標を達成するために学習計画を立てるのですね。

しかし必要な作業量を的確に把握できなければ有効な学習計画をたてられません

目標を達成するために必要な作業量を「ゴールまでの距離」と呼ぶことにすれば、この「ゴールまでの距離」は、優秀な人ほど正確に、または少し遠くに見積もり、優秀でない人は、かなり近くに見積もります。

つまり優秀な人は、ちゃんとした学習計画を立てられるのに対して、そうでない人は、学習計画そのものが甘く、最初から目標達成できないものになっているのです。

富士山に登るのは簡単?

富士山は五合目まで車で登ることができます。そこから見上げると頂上がはっきり見えるので、そこまでの道のりは、それほど遠くには感じられません。少しがんばって歩けば到達できそうです。

笑い話があります。富士山の五合目までドライブにきた若いカップルがそのまま頂上を目指して歩き始めたそうです。若い女性の方はサンダルだったとか。

少しでも登山を経験した人なら、富士山に登るには、日頃からの鍛錬と十分な装備が必要なことを知っています。しかし、それを知らない人には、ちょっとがんばれば登れてしまうように思えてしまうのです。

受験生の目標設定は甘いことが多い

勉強でも富士登山と同じようなことがおきます。

それほどレベルが高くない高校の受験生に志望校を尋ねてみたとき、かなりハイレベルな学校の名前が並んでいます。ですから、これは遠い道のりを覚悟しているのかな、と、こちらは思うわけです。しかし、どうやらそれが認識できていないようなのです。

いえ、目標を高く持つこと自体は問題ありません。でも、その目標に対しての努力量が圧倒的に足りないのです。

受験に成功する人

努力量とそれによる到達度を一致させるのはとても難しいものです。

受験に成功する人は必要な努力量を正確に見積もります。コツコツと勉強を続けてきた人は比較的正確に見積もりますね。目標に対してどれだけがんばらなければいけないのか経験的に知っているのです。

運動系の部活をがんばってきた人は受験勉強もがんばってくれる印象があります。それは、勉強以外でも努力量とそれに対する成果の関係を身をもって体験しているからではないでしょうか。

努力量さえはっきりと見積もることができれば、あとはそれをどのようにこなしていくか考えるだけです。目標を達成できる学習計画とは、その考えを具体化したものです。

受験に失敗する人

勉強は嫌いだけれど、しかたなく受験勉強を始めたような人は、ちょっとでもがんばると、それができた自分を実際よりも高く評価してしまいます。今までできなかったことが少しできただけで自己満足してしまいます。

それは模試で結果が出ていなくても同じです。客観的な事実よりも自分ががんばっている気分から勉強量を決めてしまいます。

つまり受験に失敗する人は、客観的な判断で自分の実力を評価せず、主観的な気分で勉強の成果を評価するので、実際に必要な勉強量に到達することができないのです。

受けた大学を全落ちする人は「これだけがんばったのだから、どこか受かるだろう。まさか全部落ちることはない」と考えます。でも、その見積もった努力量は、自分勝手で客観性が欠けているのです。

ダニング・クルーガー効果

能力が少ない人ほど自分を過大評価してしまう傾向を「ダニング・クルーガー効果」と呼びます。

アメリカのコーネル大学のデヴィット・ダニングとジャスティン・クルーガーは、自分のユーモアと論理的思考が同世代の人の中でどのレベルにあるのか学生に質問しました。

すると成績が良い学生ほど自分の順位を正しいか、または少し低く見積もるのに対して、成績が悪い学生ほど自分の順位を高く見積もる傾向があることを発見しました。

よくいますよね。自信たっぷりなのにそれほどでもない人って。

「根拠のない自信」を持ちやすいのは、それほど能力が高くない人が多いようです。

ただし、この「根拠のない自信」は決して悪い面だけではなく、自己肯定感を高める効果もあります行動力が高い人の中にも「根拠のない自信」を持っている人がいます

メタ認知機能を高めよう

メタ認知能力」とは自分を客観的に眺め、そこから自分をコントロールして正確な判断や行動ができる能力のことを言います。「ダニング・クルーガー効果」は、その能力不足から起こります。

よって「ダニング・クルーガー効果」を回避するには「メタ認知能力」を高めればよいのです。

メタ認知機能の高め方

メタ認知機能」を高めるには、自分の行動を客観的に眺める必要があります。

勉強に関していうと、問題を解いて間違えたのなら、どうして間違えたのか、そして、どうすれば間違えなかったのか徹底的に考えます。

ただ考えるだけでなく、文に書いてみると客観性が高まります

自分自身を客観的な対象としてながめ、その欠点を第三者としての立場として指摘し、それを改善するために自分に対して具体的なアドバイスをするのです。

具体的にその方法を探っていきましょう。ここでは受験勉強を成功させるための「メタ認知機能」向上の方法について述べます。

メタ認知機能の高める具体的な練習法

① 実行可能な短期目標を立てる

比較的短期間で達成したい勉強量を決めます。

たとえば英単語を200個覚えるとか数学の教科書でベクトルの基礎を攻略するなど量をはっきりと決めます。

その次に、それにかかる期間を見積もります。ただし、のんびりやるのではなく、少なくとも定期テストの準備程度の集中力でこなしてください。

② 目標の達成度合いを客観的に評価する

目標を達成できたと思ったら、それを客観的に、そして網羅的にテストします。

英単語なら覚えたはずの単語をすべてをチェックします。数学なら教科書傍用の問題集などを使います。

そしてその到達度を数値で示します。60%とか90%のようにです。

さて、このとき、その結果に対する自分の満足度に注意してください。

たとえば60%でも満足している自分がいるとしたら、到達するべき目標が甘いことを意味しています。

90%できたとしても、あと10%分だけの甘さがあります。

自分の満足度を客観的にはかるのはかなり大変です。多くの場合、やる前から、この程度だろうと決めてしまっていて、それに達すると満足してしまいます。そのため最初からその満足度に達するような努力目標しか立てていない場合があります。

努力目標としては常に100%完璧を目指します。それに向かって努力し、その到達度と満足度を測る必要があります。もし決めた作業で100%は無理だと思うのなら、作業量そのものを少なくします。そして100%完璧を目指します。

③ 達成できない原因を客観的に分析する

自分が見積もっていた成果(この場合は100%)に対しての到達度とそれにかかる時間の見積もりを客観的に分析をします。

60%しかできなかった人は、なぜあと40%できなかったのか、それを具体的に分析します。

ただ単に「サボったから」とか「やる気がなかった」ではダメです。

サボっても、やる気がなくても達成できるようにするためには、どうしたらよかったのか考えるのです。

「もっとがんばる」もダメです。がんばらなくても達成する方法を考えてください。

つまり精神論にしてはいけません。常に方法論で考えてください。

④ 分析結果を次回の実行に生かす方法を考える

100%達成するための方法を考えられたら、それを次回に実行し成果を客観的に評価します。

これを繰り返していきます。

まとめ

がんばったから合格できるのではなく、合格できるようにがんばらなければなりません

それが理解できないひとが不合格になってしまうのです。

今のあなたのがんばりは、客観的な判断からですか、それともあなたの主観ですか?