目次
ひらめきは儚く脆いものですね
日々の勉強の中では、それまで理解できなかったことが突然納得できたり、何か新しい発見があったりしますよね。もしかしたら人生がガラッと変わるような革新的な発明が生まれることだってあるかもしれません。
そのようなひらめきは、とても儚(はかな)くて脆(もろ)いものです。
あのひらめきにもう一度出会いたい
気づいたときには突然頭の中がクリアになったような、とても貴重な体験ができたのに、後になってそのことを思い出そうとしても、もはや闇の中に紛れ込んでしまって頭の中から引き出すことなんてできません。と言うより、そんなことがあったのかさえ気付きはしないでしょう。
それならば、覚えておきたいと思った知識やアイデアを、すぐにメモにとっておこうと考えるのは当然なことですね。
覚えていたいならメモに取ろう
問題を解くときに使う練習ノートってありますよね。あなたはそのノートをあとになって見直すことってありますか?
見ませんよね!
数学などの理系科目は特にそうですが、せっかく苦労して作った解答は、問題を解いた時だけのものになってしまい、そこで得られた大切な情報や感覚は、二度と蘇ることはなく、闇に葬られてしまいがちです。同じようなシチュエーションに出会うことでもなければ、忘れてしまった情報や感覚には二度と出会えることはないでしょう。
その貴重な体験を再現するためにメモ帳を利用するのです。
問題の解き方そのものを書き写しておく必要はありませんが、その問題を解いたときに大切だと思ったポイントや感覚を書き残しておくことは、その後の勉強の効率を上げるために非常に有効なものとなります。
頭に常駐させる知識のために忘れることも大切
メモにとっておくのは、もちろん大切なことを覚えておきたいからですが、頭の中に常駐させる知識にするための前段階として、とりあえずメモ帳に覚えさせておくという考え方があります。これは逆に考えれば、しばらく安心して忘れられるということでもあります。
この忘れるということも、知識を確かなものとして頭の中に常駐させるためには必要なことです。
忘れてからもう一度思い出すためにメモにとっておき、それを後で見ながら知識の再構築を行えば、以前の知識を抽象化してコンパクトにできるので、必要なときにいつでも引き出せるような知識となるのです。
知識を実戦配備する
最終的には、そのような知識や感覚を必要なときに頭の中から引き出せるようにしておかなければなりません。
大学受験であっても一夜漬け、は無理であっても一週間ぐらいの短い期間で、今まで積み重ねてきた知識をワーキングエリアに全て広げて、入試直前には実戦配備のスタンバイ状態にしておく必要があります。
そのためのツールとしてのメモ帳を日々の勉強の中で作っておくのです。これを最良のものに作っておけば、入試直前の勉強を集約的に行うことが可能となります。
そんなこと教科書や参考書でもできるでしょうと思うかもしれませんが、教科書や参考書では知識の確認はできても、勉強をしていたときにひらめいた感覚までは蘇りません。
必要な知識を頭の中に常駐できるようにするためには時間がかかります。そのためには一旦忘れる必要もあるのです。一旦忘れてからもう一度思い出すという行為を繰り返すことによって最終的には、簡単には消えてしまわない常駐の知識として頭の中に定着するようになります。
メモを取ると要約力も上がる
メモを取ることは備忘録として利用する以外にも作る意味があります。それは要約力の訓練です。
理解が深まれば深まるほど要約は分かりやすいものになります。
自分が納得した内容を自分の言葉でまとめることはなかなか難しいことです。
そのときの気持ちや嬉しさも同時に表現することも大切かもしれません。
メモ帳はこんなふうに使う
具体的なメモ帳の使い方のひとつをご紹介します。
メモ帳の大きさはB7ぐらいの比較的小さなものを用意します。
見開きの右側にはトリガーとなるキーワードのみを書きます。そしてその裏面にそのとき思い出すべきことを書いておきます。
一問一答形式で表面に問いを裏面に答えを書いておけば、覚えられていることと忘れてしまったことを認識することができるようになります。
そのために一枚につき1項目に絞って書いた方がいいと思います。
簡単な例では「2直線の交点の求め方」というキーワードを書き、その裏面には「連立方程式」と書きます。
たったこれだけです。これ以上書く必要はありません。
この要約を頭の中に入れておけば、問題の中にトリガーとなるキーワードを見た瞬間その解決策を導き出すキーワードが頭の中に浮かび、その先は連鎖反応として解法が浮かぶようになります。
最初のうちは、トリガーとしてのキーワードは実際の問題に近い形でも構いません。
勉強は覚えることと忘れることの繰り返し
勉強は覚えることと忘れることの繰り返しです。
そして何が覚えられていて何を忘れているのかを把握することは勉強を効率よく進める上でとても大切なことです。
このようにメモ帳を日々の勉強に利用することによって、生まれてきたアイデアを常時使うことのできる知識にすることができます。