【受験生】浪人すると決めたのなら、これだけは知っておいて!「意識改革の必要性」

浪人を決めた受験生に、はっきりと言っておきます。

今までの自分を変えなければ来年も受験に失敗します。

ただ単純にもう1年間(ほんとうは10ヶ月)今までと同じように受験勉強をしたところで、来年も同じ結果が待っています。それどころか今年よりも悪い結果になるかもしれません。

なぜなら、もし現状のままで浪人して第一志望校に受かるようなら、現役でも合格できたはずだからです。

もちろん、それぞれの人で事情は異なるでしょう。

たとえば受験間際に病気になって受けられなかった場合など、やむをえない人もいます。

本当にがんばったのに不本意な結果に満足できず、リベンジを決めた人もいるでしょう。

でも、多くの場合「もう一年勉強すれば、今までよりたくさん勉強できるのだから、少なくとも今年より有利になるだろう。志望校だって、今年よりも、もっと高くしてもいいかもしれない」などと楽観して考えている人が多いのです。

でもですね、そんな考えをするようだから合格できなかったのです。

たくさん勉強すれば受かるのであれば、なぜ現役のとき、もっと勉強しなかったのですか。

なぜ、こんなにキツく言うのかというと、これからの浪人を失敗してほしくないからです。

もう一度言いますが「浪人すればいいや」なんて思う自分だから合格できなかったのです。その気持ちを改革しなければなりません。逆に言えば、その気持ちを改革できれば、来年は思う通りに合格できるようになるでしょう。

私は家庭教師なので浪人生も多く指導してきました。そして意識改革できずに、また受験に失敗する子を多く見てきました。

それは家庭教師としての敗北です。

勉強を教えるのは簡単ですが、その人の意識を変えるのは本当にたいへんです。

ただ勉強をたくさんやってもダメなのです。来年合格できるように、ぜひとも意識改革をして下さい。これは家庭教師としての私からのお願いです。

それでは、どのように意識改革をしてほしいのかを具体的にまとめていきます。

「たくさん勉強すれば合格する」は間違い

浪人すると勉強時間がたっぷりあるので、少なくとも今年に受けた大学は合格できるだろう、と考えたとしたら、それは大きな間違いです。

これが浪人の大きな誤解のひとつです。

先程も言いましたが、たくさん勉強して合格できるのであれば、なぜ現役のとき勉強しなかったのですか?

いろいろな言い訳が聞こえてきそうですが、ただ単に勉強時間が増やしただけでは合格できません。

合格するために必要な勉強量は存在すると思います。

しかし、それは時間的な作業量ではなく、実力アップのための具体的な作業量であるはずです。

勉強量を時間で把握すると、長い時間机に向かっていたことに満足してしまい、それほど成果が上がっていないのにも関わらず、やった気になってしまう危険があります。

そればかりか時間があり過ぎると、かえって勉強できなくなることさえあります。

だれでも経験があると思いますが、学校の課題を消化するにしても提出期限ギリリリになってからやっとやり始める人は、追い詰められなければ作業に取り掛かりません。

浪人した人には、そのような傾向を持つ人が多いように思います。与えられた時間を十分に使って勉強できたのであれば、浪人なんてしなくてもよかったのではないでしょうか。

そして、そのような人が浪人すると、また同じ過ちを繰り返し、受験勉強に本格的に取り組むのが秋以降になったりします。そしてまた勉強不足となり合格できないのです。

「今までの実力に上乗せされる」は間違い

浪人すれば、現役生と比べて余計に勉強するのだから、今までの実力に上乗せして実力が付くと思っていると足を掬われます。

知識が増えるのと同時に、それ以前に覚えたはずの知識が日に日に消えていくのを忘れていませんか?

現役のときに身につけたはずの知識は、悲しいほど早く消えてしまいます。

今年、受験したとき、準備が不十分だったとしても、学校で学んだ知識は多少なりとも残っていたので試験では少しは手応えがあったかもしれません。

しかし、それがそのままの形で来年まで保存されるかというと、そうゆうわけにはいきません。消えてしまいます。

なぜなら、そのような知識は、自分でしっかりと身につけようとした知識ではないので、とても定着力が弱いのです。

浪人したら、そのような心許ない知識は、最初から学び直す必要があります。

しかも勉強した当時に「分かった、できた」と納得できていたら、その納得できたという記憶だけが頭の中に残っていて、随分時間が経ってからそれを実際にやってみると全て忘れていることに気づき愕然とします。その気づきが受験の本番では、もはや目も当てられません。

「基礎はもう大丈夫」は本当か?

浪人して勉強をすると、もう一度受験しているのだから、基礎ではなくて実戦力だけを高めればいいと思っている人がいます。それも大きな間違いです。

そもそも受験に失敗する要因のひとつは基礎力の不足です。

基礎力というと「簡単な問題が解けることだ」と思ってはいませんか?

理系の浪人生を教えに行ったとき「数学の教科書はどうしたの?」と聞くと「もう使わないから捨てた」と言われた経験があります。教科書をバカにしているのですね。

基礎とは、いわゆる土台ですから、土台がしっかりしていなければ高い塔が築けないのと同様に勉強だって高みにたどりつけません。

「簡単な問題」イコール「基礎」ではないのです。

どうして合格できなかったのか徹底的に分析する

「どうして落ちたのか」と原因を尋ねると「勉強不足だったから」と単純に答える浪人生がいます。

このように答えるのはたいへん危険です。

なぜなら、この解決策は「勉強をたくさんすれば合格できる」となるからです。

浪人すれば、たくさん勉強できる、だから浪人すれば合格できる、という短絡的な結論を導いています。

なぜ自分が合格できなかったのか、その理由を各科目ごと具体的に考えなければなりません。

たとえば英語で読解速度が遅くて問題全てを解けなかったのなら、速読

練習が必要になるでしょう。決して勉強量を上げるだけでは英文の読みは速くなりません。原因に対しての個々の具体的な対策が必要です。

成果を実感しながら勉強する

特定の勉強すれば、それによって得られる成果が必ずあるはずです。

しかし勉強の成果は、すぐには現れないとも言われます。コツコツと勉強していれば、いつの日かその成果が得られるだろうというわけですね。

しかし浪人していたら、その考えはとても危険です。

浪人生は常に成果を実感しながら勉強するべきです。

なぜなら悠長な気持ちが許されないのが浪人だからです。いつ成果が出るのか不安定な気持ちを抱えながらの勉強は辛いものがあります。

最終的な成果は志望校の合格ですが、それを大きな成果と呼ぶなら、日々の勉強では、小さな成果や中ぐらいの成果を常に実感できるように勉強しましょう。

それが時間だけで努力を計りがちな浪人生にとって足を踏み外さないためのガードになります。いま自分はどこに立っているのか、どこまできているのか常に把握するのです。

たとえば世界史で中世ヨーロッパを勉強するとしましょう。先ず目標とする大学の入試に近い問題をやってみます。現状でどれだけできないか把握します。このとき答え合わせはしません。でも、どれだけできたかできなかったかは実感できるはずです。

次にそれを攻略するだけの比較的短い期間の勉強計画を立てて実行します。

それが終わったら前もって解いておいた問題をもう一度解きます。そして今度は答え合わせをします。

勉強する前と後で成果の違いを実感します。もしそれほど成果が出ていないのであれば、もともとの勉強のやり方を変える必要があります。成果が実感できれば自信になります。

夏までに目的のレベルを達成する

浪人して勉強する時間がたっぷりあれば受験に有利になると考えてはいけません。

むしろ長すぎて不利になる方が多いのです。

4月には「よし、がんばるぞ」と意気込んで勉強を始めたとしても、こころの中の何処かで「時間はたっぷりあるから」という油断が隠れています。

現役であれば周りもみんな受験生ばかりなので、危機感を持って勉強できます。

ところが浪人すると、予備校に通っていたとしても、基本的にはひとりなので、どうしても自分に甘くなります。

その甘さを出さないように目標の到達点を前倒ししましょう。

まだ受験の失敗の記憶が鮮明なうちに目標とするゴール地点を早い時期に設定します。7月、8月ごろがいいと思います。夏の模試の結果で合格は確実だと思えるような結果を出すようにします。中途半端な結果ではだめですよ。

このゴール地点の前倒しの目的は2つあります。 

ひとつは来年の実際の受験に余裕を持たせて自信を作るためです。もしこれが達成できるのであれば志望校の上方修正もあり得るかもしれません。

もうひとつは予定通り達成できない事実を早く知って修正できるチャンスを確保するためです。

夏までに結果が出ないようなら、そのままでは合格は難しいでしょう。それに早く気づけば、やり直しが効きます。

夏までに確実な合格を実感できたとしても、来年の実際の試験で合格できるとは限りません。また実感が得られたとしても、それ以降の気の緩みに気をつけなければなりません。

浪人生活を当たり前にしない

浪人生活はゴールデンウイークを過ぎた頃から当たり前になってしまいます。馴染んでしまうのですね。

すると受験勉強もただの習慣となって、その目的を忘れがちです。浪人は来年の大学合格するのが目的ですが、いつしかそれがあやふやになってきます。

浪人生活に意味を持たせるようにしなければなりません。

逆説的に聞こえるかもしれませんが、浪人時代は勉強以外にも目をむけましょう。

もともと全てを勉強に費やせるような精神力があるのであれば現役合格できたはずです。

ですから浪人したという事実から、その人は全てを勉強に集中するようにできない可能性が高いのです。

全てを勉強に費やせないのは、ある意味当たり前です。

なぜなら、その勉強に意味を見出せていないからです。

勉強して大学に行ってから、あなたな何を目的に人生を歩むのでしょうか?

もっと大きなビジョンを持てるようにしましょう。

大学を出てその先にある自分の人生にとって有益なものを浪人時代に見つけておくのは、いま目前にある受験勉強を、より活性化するのに役立ちます。

まとめ

あなたはどうして浪人しなければいけなかったのか、よく考えなければなりません。

浪人してしまった原因を克服できなければ来年も同じ結果が待っています。

浪人して得られた時間は意識改革をもたらすものでなければ意味がありません。そうでなければ結果を先送りにするだけです。

実はわたしも一旦入った大学を辞めて浪人しています。それは妥協した結果を受け入れられなかったからですが、そうしてやり直した結果は、決して成功したとは言えませんでした。ほんのわずかな成果しか得られなかったのです。それは自分の甘さのせいです。

若い時代の数年の遅れなど全く気にする必要はありません。しかし、その時間の貴重さを実感してほしいと思います。浪人時代をこれからの人生に活かせるようにがんばってください。