「勉強したいけど、まとまった時間がなくて勉強できない!」
そんなふうに思ってはいませんか?
でも、まとまった時間がなくても勉強はできますし、むしろ短時間だからこそ、はかどる勉強だってあるのです。
生活の中で細切れになった時間を「隙間時間」と言います。
見直せば意外とある1日の中の隙間時間を有効に使って勉強を活性化させましょう。
そのためのヒントを書きました。ぜひ読んでみてください。新しい発見があると思いますよ。
目次
忙しくても隙間時間を活用して勉強できる
中高生だって忙しいものです。もちろん学生の本分は勉強ですが、1日すべての時間を勉強に充てられるわけがありません。
それに、勉強以外にも部活や友だち付き合いなど、どうしても勉強以外で時間が取られてしまうことはありますよね。中高生だって人間関係は大切です。アルバイトが必要な人だっているでしょう。
勉強のためにある程度まとまった時間を確保するのは限界があります。
まとまった時間は、もう十分に勉強に使っていて、これ以上勉強時間が作れないという人も、まとまった時間は勉強以外に使わなければならなくて、勉強する時間がないという人も、工夫すれば、まだまだ勉強時間を作り出すことができます。
それが隙間時間の有効活用です。
見つけてみよう勉強できる隙間時間
勉強に使える隙間時間は1日の中に結構あります。例としては次のようなものです。
- 登校前の朝の時間
- 通学時間
- トイレ
- 学校の休み時間
- お昼休み
- 帰宅時間
- 入浴時間
- 寝る前の時間
これらの隙間時間は、もちろん元々の使用目的があるわけですが、工夫すれば勉強のために使うことができます。机の前に長時間座っていなければ勉強できない、なんてことはないのです。
これ以外にも、実はただぼーっとしていたり、スマホをチェックする時間もありますよね?そのような時間も勉強にとっては隙間時間と呼んでいいでしょう。
隙間時間を意識すると勉強に対する意識も高くなる
1日の隙間時間のすべてを勉強に使うなんて息苦しく感じるかもしれません。
もちろん、すべての隙間時間を勉強に使わなくてもいいのですよ。リラックスするためにも隙間時間は使って下さい。
むしろ休息時間は勉強の集中力を保つためにも積極的に取るべきです。
要はダラダラと時間を使うのではなく「今は勉強する時間だ」とか「今はリラックスする時間だ」とか時間に対する意識を高めることが重要なのです。
1日にある隙間時間を勉強のために使おうと考えていれば、時間のムダをなくそうとする意識が高まります。すると、まとまった時間の勉強もダラダラとしなくなり効率が上がります。
中高生の隙間時間は習慣的だから勉強に使える
中高生の隙間時間は習慣性があります。つまり毎日決まった時間に決まった隙間時間があるので習慣的な勉強をするのに最適なのです。
例えば、通学時間を特定の勉強に使うと決めれば毎日一定量の勉強が確実にできるようになります。
これなら夜のまとまった時間で勉強するよりも確実に勉強できます。
なぜなら、まとまった時間を勉強に使うには、いろいろな科目で、何の勉強をどれだけやるのかの折り合いをつけながら時間配分をしなければならないので、思うように勉強が進みません。
しかし通学時間は確実にあり、そのとき勉強する科目を特定すれば、常に一定量の作業が進むので計画的に勉強を進められるのです。
隙間時間だけでもこんなに勉強できる
例えば1回5分の隙間時間でも1年間では30時間にもなります。これが1日5回あれば1年間で150時間も勉強できるわけです。これは1年間の1科目の授業時間にも匹敵します。
たくさん勉強すれば、それだけ成績が上がると考えるのは簡単ですが、ひとに与えられた1日の時間は、誰にとっても24時間と決まっています。ですから、どんなに勉強しようとしても勉強時間の絶対量を増やすには限界があるのです。
しかし隙間時間の活用で勉強時間を増やすことは可能です。
隙間時間の方が活きる勉強法
長い時間、机の前に座っているだけが勉強ではありません。机の前に座り、教科書とノートを開いて問題集を解くのが勉強だ、という固定観念にとらわれず、自由な発想で勉強しましょう。隙間時間だからこそ活きる勉強だってあるんです。
隙間時間を勉強に活用しようとすれば、勉強に対するいろいろな工夫が思い浮かんできます。
暗記
勉強には単純に覚える作業はつきものです。次のようなものがありますね。
- 英単語
- 社会科目や理科科目の重要語句
- 漢字や語彙
これらの作業は長い時間ずっと行うよりも、短い時間を周期的に繰り返す方が効果的です。暗記は、まとまった時間で長時間連続で行うよりも隙間時間で時間を細かく分割して行う方が成果が上がります。
暗記は、覚えてから一旦忘れ、それを思い出そうとする行為の繰り返しで長期間記憶できるようになります。
隙間時間で覚えたことを次の隙間時間で思い出そうとすれば、特別にスケジューリングしなくても自然と長期記憶につながります。
たとえば、朝の通学時間で覚え、それを帰りの帰宅時間で復習するなど、暗記に最適なインターバルで学習できます。
英語などリスニング教材を使う
通学時間に「書く勉強」や「読む勉強」はたいへんですね。しかし「聞く勉強」なら歩いていてもできます。
特におすすめなのが英語のリスニングです。
近年の英語の勉強は「読む」「書く」だけでは不十分です。「聞く」「話す」能力も身に付けなければなりません。
すでに勉強してある英文を音声にして聞けば、聞いているだけで復習になりますし「聞く」能力の向上にもつながります。
このときのコツは、まとまった時間での勉強と隙間時間での勉強のコンビネーションです。
最初まとまった時間で長文に使われている単語や文法、句や節の働きなどをしっかり分析しておきます。これにはある程度時間がかかりますが、それは決してムダではありません。と言うよりも、それを行わないでただ聞いてはいけません。事前準備がしっかりできてから、その長文を音声を使って隙間時間で聞きながら復習するのです。
英文を聞く時間は5分ほどの短い時間で済みますが、その勉強の効果は、まとまった時間での事前準備の勉強に匹敵します。まとまった時間でしっかりと事前準備を行っていれば、その後は、ただ聞くだけで単語や文法、アクセント、内容把握などを複合的にいっぺんに復習できるので効率がいいのです。これを10回繰り返してもトータルで1時間にもなりません。
今どきの英語の教科書は音声で学習できる教材となっています。自分の手持ちの教科書で確認してみましょう。
学習のための動画を見る
バスや電車の中、それらを待つ時間などを年間を通じて合計すれば、かなりの時間になります。
バスや電車の中なら座っていられるかもしれませんし、立っていたとしてもスマホを見るのは可能です。それは、もうやっているかもしれませんね。
これを勉強のために当てれば、相当な勉強時間を確保できます。
でも、これが難しいのですね。ついついSNS のチェックや動画、ゲームなどに気がいってしまいがちです。
ほぼ無意識のように、ついついスマホの画面に目がいってしまうのであれば、これを勉強のきっかけにするルールにしてしまいましょう。
例えば、SNSのチェックやゲームは「必ず勉強の動画を1分でもいいから見た後にする」というルールです。
「1分」でいいのですよ。中途半端で構いません。でも知らないうちに勉強の動画に集中するようになっているでしょう。なぜならば、いちばん最初に手をつけたものが、いちばん時間を使うようになるからです。
学習アプリを使う
漢字や暗記科目では、クイズ形式で練習できるアプリが多くあります。勉強というよりも楽しみのひとつとして、そのようなアプリを活用するのもいいでしょう。
これは結構楽しいものがいっぱいあります。もはや勉強している気分ではなく、遊んでいる感覚に近いので、勉強に対するプレッシャーを軽減できます。達成感も得られるので楽しく勉強できます。
家の中で隙間時間を活用する勉強法
自宅の生活の中にも隙間時間はかなりあります。
例えばトイレ。
わたしが家庭教師として生徒さんのご自宅を訪問するとき、ときどきトイレをお借りします。すると勉強好きの生徒さんの家のトイレのドアには、化学の周期表が貼ってあったり歴史の年表が貼ってあったりするのをよく見かけます。
本やマンガが置いてあるご家庭もありますね。
そのような、ただドアに貼ってあるものを眺めているだけでも、いつの間にか記憶に定着しているものです。
自分の部屋のドアに覚えたい項目(単語や漢字)を付箋を貼って、覚えてから出入りをするようにする人もいます。
隙間時間は次の勉強の橋渡し
隙間時間で勉強していれば、中途半端なところで切り上げなければならないときが多いのは当然です。しかしこれは決して悪いことではありません。
なぜなら中途半端なところで切り上げると、前の勉強が気になって頭の中に残ります。気になった状態が続けば、中途半端になっている勉強の再開がしやすくなるのです。
隙間時間の勉強は中途半端に切り上げて構いません。それが次の勉強の開始をスムーズにさせるのです。
隙間時間で勉強できると余裕ができる
隙間時間の活用ができるようになると、どのようなときでも勉強ができるという自信がつきます。
すると勉強で心配なものが出てきたら、すぐに勉強に取り掛かれるので、勉強でわからないものに対する不安が少なくなります。
たとえば学校の授業でわからなかったところがあったとき、それを後回しにすることなく帰宅途中の電車の中で動画の授業を使って復習すれば、その日のうちに問題解決できるかもしれません。
隙間時間の勉強は、気になったときにすぐに対応できる俊敏さを育んでくれます。
隙間時間が活用できると本番の試験も得意になる
隙間時間のように限られた時間の中で勉強しなければならないという課題が与えられると脳の処理能力が上がります。
まとまった時間にじっくりと勉強する時間も確かに大切ですが、本番の試験ではそうはいきません。
限られた時間の中で作業をする訓練を積めば、本番の試験でも集中して問題を解くことができるようになります。
隙間時間で勉強するためのツールを紹介
隙間時間を有効に使うには、ちょっとした工夫が必要です。そのためのツールを紹介します。
カードやメモ帳サイズのノート
隙間時間の勉強の道具として、もっとも古典的で有効なものはカードの利用でしょう。
単語の暗記はもとより、世界史や日本史など暗記科目に対応できます。
カードでは書き込めるデータの量が心配ならメモ帳サイズのノートがおすすめです。
暗記科目でまとめノートを作るタイプの人は、そのノートをすこし小さめなもので作っておけば、隙間時間でも活用できます。
しかし、カードを利用するには重大な問題があります。それはまとまった時間を使って事前に作っておかなければならない点です。
まとまった時間は、むしろ、まとまった時間だからこそできる勉強のために活用したいですよね。カードを作る時間の全てがムダだとは言いませんが、効率がよくありません。カードを作っただけで満足してしまう危険もあります。
そこでお勧めしたいのがスマートフォンの利用です。
スマートフォン
今どきの中高生のスマートフォンの所持率は90%以上です。ですから勉強にスマホを使わない手はありません。今だったら高度な勉強するための環境をスマホの中に作り出すことが可能なのです。
しかも、今どきの中高生が隙間時間の利用にスマホ抜きは考えられません。電車の待ち時間にスマホの画面を開いていますよね。
だったら、そのスマホを隙間時間の勉強に使うのは、現代に生きる中高生の勉強方法として有効です。
ただし、それが「諸刃の剣」であるのは明らかです。
勉強するつもりで取り出したスマホであっても、つい Line のチェックやゲームに使ってしまえば、勉強するどころか時間を浪費してしまうでしょう。
このようなことから世間一般ではスマホと勉強は全く相入れないものと思われています。勉強のためにスマホを取り上げらてしまう人もいますね。
受験勉強など短い期間限定でスマホの利用を完全に停止し勉強だけに集中するのは確かに有効です。何よりもその決意の強さが勉強の成果を後押ししてくれます。何かを得るためには何かを捨てなければならないというのは本当です。
しかし大学受験に成功した後、大学生活ではスマホや PC は使うでしょうし、社会人になってもスマホや PC を使わなければ仕事になりません。資格の取得や英会話などでもスマホの利用は有効です。
つまり現代人はスマホの利用を自分の意思に従わせる必要があるのです。逆にスマホに使われるようになってはいけません。
スマホに支配される人生とスマホを自分のために活用できる人生では、人生の豊かさの品質に違いが出てきてしまいます。
ただし、やっぱりスマホに支配されがちなら、受験勉強期間などは一旦スマホに別れを告げるべきですけどね。
どちらにしてもスマホの利用は臨機応変にコントロールしましょう。それができないと人生の大きなチャンスを逃してしまいます。
ここでは多くの人にとって現実的なスマホを自分の勉強の味方にする方法を紹介します。
ノイズキャンセリングイヤホン
これは必須ではありませんが、周りのノイズを消して音声を聞き取りやすくしてくれる、ノイズキャンセリングの機能を持ったイヤホンがあれば最高です。
どんなに周りがうるさくても静寂を作り出し勉強の集中力を高めてくれます。
しかし少し高価なのが難点です。
ノイズキャンセリングがなくても、耳栓のようなカナル型のイヤホンならある程度外界のノイズを低減してくれます。
でも隙間時間の勉強は続けなければ意味がありません
ここまで読んでもらって実際に隙間時間の勉強を始める人はどれだけいるのでしょうかね。
正直ほとんどいないでしょう。
そう思えるのは「隙間時間の勉強」を聞いて、まだ、まとまった時間さえ、まともに勉強できていないのに、隙間時間の勉強なんて無理だ、とあなたが思っているからです。
でも、ぜひとも隙間時間の勉強を始めてほしいのです。
隙間時間の勉強は、ただ隙間時間を埋めるだけのものではないのですよ。
隙間時間の利用で勉強のハードルを下げる
勉強を勉強だと思っているうちは、やる気にはならないでしょう。
しかし、いつでもどこでも勉強するようになると、それは生活の一部になります。
勉強をしている時間とそうでない時間との境界線のハードルが高い人は、なかなか勉強しようとしません。そのハードルを低くする手立てとして隙間時間の勉強があります。
日常で細切れになった時間は、何もしなけばムダになってしまいます。でも勉強でも読書でも隙間時間を利用できるようになれば、それが日常生活の一部になります。つまり勉強の習慣化ですね。
ただ、それも常に続けていなければ習慣にはなりません。歯みがきや入浴も毎日続けているから苦ではないのです。
と言っても隙間時間のそれぞれをいったい何に使うのかを自分で計画するのはとても大変です。そこでスマホを利用して、とりあえずスマホを開いたらやることを決めて続けてみましょう。
動画を見るとだけ決めて続ける
今どきの中高生なら、隙間時間に何をしているのかというと、スマホをいじっていると思います。ちょっとでも時間があればスマホを取り出しているでしょう?
だから、これをきっかけに勉強しちゃうのがいいと思うのです。
スマホを取り出して勉強するにしても、そこで何をやるのか考えたら、考えているだけでイヤになってしまうかも知れません。
そこで、日ごろスマホでやっていることを勉強に置き換えていくのです。
スマホを取り出して動画を見るのはみんなやっていますね。その動画の内容を勉強に置き換えてしまいましょう。
動画って、面白くなくても見てしまいますね。ただの習慣として見てしまうのです。だったら勉強でもいいじゃないですか。
見る動画も、あれこれ探していたらイヤになってしまうので、連続で次から次へと見ていけるものにしましょう。NHK の「高校講座」なら、わかりやすい内容で続けられます。タダですしね。
ただし NHK の「高校講座」は基礎的なものが多いので物足りくなってしまうかもしれません。それだったら「スタディサプリ」のような有料なコンテンツを利用してましょう。自分の実力に合わせて見る動画を選べます。授業内容のクオリティは素晴らしいです。
まとめ
隙間時間の活用は、勉強のためだけでなく、人生を豊かにするためのコツのようなんものに思えます。こんな言い方をすると大袈裟に聞こえるかも知れませんね。
でも短かな時間が無数に積み重なって人生ができていると考えれば、その短かな時間を捨てるか活かすかでは、人生全体の意味合いが大きく違ってくると思うのです。
若いうちにこのコツをつかんでしまえたら人生を渡っていくための大きな武器を手に入れたことになるでしょう。
ぜひ隙間時間、短い時間を自分のために有効に使えるようになってください。