【数学】勉強効率を飛躍的に上げるノートの作り方

数学の勉強は実際に書いて問題を解く場面が多いですね。苦労して書いた自分の解答には愛おしささえ感じます。

みなさんは問題を解いたノートを、そのあと見直しますか?

数学を教えていて思うのですが、一度解いたらそれっきり、二度と見ない人って意外と多い気がします。

せっかく苦労して解いた問題も、もう一度解こうとしたら、すっかり忘れていたなんて悲しいですよね。

言うまでも無いことですが、一度学んだ内容を定着させるには復習が大切です。

では、その復習はどのような方法でやりますか?もう一度同じ問題を最初から解き直しますか?

いいえ、そんな必要はありません。とても効率よく復習する方法があるのです。その方法を説明したいのですが、そのためにはノートの作り方に注意する必要があります。

数学のノートは問題を解くためだけじゃない

数学のノートは問題を解くときだけのものにしてはいけません。解いた後で効率よく復習できるツールに作っておくべきなのです。

ここでは数学の復習を効率化できて、短時間に数学の実力をつけられるノートの作り方を紹介します。これを知れば、数学の実力を確実に上げられるようになります。

数学を復習するときの誤解

数学の実力を上げるには時間がかかると思われがちです。それは、実際に書いて問題を解く時間がどうしても必要だからです。

数学の問題をじっくり解く時間はとても大切です。少しぐらい時間がかかったとしても、それは無駄ではありません。書くことによって解く過程を可視化しながら考えを進めるのは数学の醍醐味と言ってもいいでしょう。

数学のノートは解いたときの感覚を瞬時に呼び起こすツールにする

解いたときには「理解できた」と満足しても、その感覚は放っておくとすぐに消えてしまいます。

だからこそ復習が必要なのですが、ふたたびその解法を頭の中に蘇らせるために、もう一度はじめから解かなければならないのだとしたら勉強の効率が悪すぎます。それだと時間的なコストに見合うだけの勉強の効果を得られないのです。

数学の勉強では実際に自分で解く行為はとても大切ですが、しかし、だからと言って、ひたすら書いて解いていたら時間がいくらあっても足りません。

一度目は仕方ありません。じっくり問題と向き合いましょう。しかし二度目、三度目は、一度目と同じ時間を掛ける必要はまったくありません。それどころか、ほんの数分で最初に解いた感覚を鮮明に蘇らせる方法があるのです。そのためのノートの作り方を説明します。

効率のよい復習のためのノートの作り方

先ず、数学の勉強でのノートの役割を確認しておきましょう。

ノートの役割

問題を解くためのスペース

実際に問題を解くには紙が必要です。その書く行為は直接テストに直結しますね。大半の数学の試験がペーパーテストである以上、書く行為は避けられません。

解き方を復習するための対象物

数学の問題を一度書いて解いたらそれで終わりではいけません。復習が必要です。そのためには前回解いたノートが必要です。

間違えるポイントの分析資料

ノートに残せば、自分はどのような場面で間違えやすいのかを検討する資料になります。ひとそれぞれ間違え方にはパターンがあるので、その点を明らかにできるデータが蓄積できるのです。

モチベーションの維持

自分がそれまで解いてきた実績がノートの冊数として表れます。それを見れば、事実これだけやってきたんだという自信につながります。

試験直前の不安解消

試験の直前では、それまでやってきた勉強が本当に頭の中にあるのか心配になります。それが全てノート上にあれば、それを短時間で復習することによって準備を完璧にできます。

ノートを作るとき心がけるべきこと

数学のノートはただ問題を解くためだけのものにしてはいけません。後での復習を意識してノートを作りましょう。

ノートはケチらず大胆に使う

大きな問題ひとつにつき最低でもノートの見開き2ページは必要です。また、解くだけではなく間違えたとき正しい解法を書き込むスペースも必要です。

問題を解くときは常に見開き2ページの左側から始め、その2ページの全てが埋まらなくても、つぎの新しい問題は、また見開き2ページの左側から始めます。

空白が多めに残っても気にしないようにしましょう。

他人が見ることを意識する

テストの場合、その解答は採点者が見ます。採点者が見てその解法を理解できなければ点数をもらえません。

特別にきれいに書く必要はありませんが自分だけがわかるような書き方ではダメです。常に他者の目線で解答を眺められるようになりましょう。

流れがわかるようにする

解いていてスペースが足りなくなると、あちらこちらと空いているところに書き込んだりしますが、たとえそうなったとしても、区切りを書いたり、矢印で流れを示したりして、解く流れが分かるように工夫しましょう。これは本番の試験でも有効です。

「きれいに書く」よりは「早く、コンパクト」を心がける。

いくら他人から見られるのを意識する必要があっても解くスピードを著しく阻害するほどの丁寧さは必要ありません。

数学の試験の採点者は数学を知っている人なので要点が抑えられていれば解答の内容を理解してくれます。最低限の見やすさは必要ですが、コンパクトな解答を心がけ、無駄な時間を削る意識を高めましょう。それが数学の実力をアップさせる原動力になります。

書くべき項目

数学のノートに書くべき項目は以下のものです。

問題を解いた日付

問題を解いた日付は書いておくべきです。その問題を解いてからどのくらいの期間が開いたのかによって復習の頻度が把握できます。またその日付によって復習をするタイミングを決める手がかかりにもなります。

問題

ノートの見開き2ページの左側上部に問題集をコピーして切り抜いたものを貼ります。問題を貼るのは学校の課題でよく見かけますね。問題と解答を同時に見られるようにするのはとても大切なことなのです。

自分の解答

実際に問題を解きます。解く時間は解く前に意識しておきましょう。

答え合わせ

想定した時間が過ぎたら答え合わせをします。最後まで出来なくてもズルズルと考え続けてははいけません。途中でもすっぱりと切り上げましょう。

答えが合っていても途中のやり方はチェックします。やり方に無駄がなかったかも確認します。

特に計算ミスやケアレスミスなどは軽視しないようにしましょう。なぜなら計算ミスやケアレスミスで正答が得られなかったとしたら、できるのに点数がもらえないことを意味するからです。こんな悔しいことはありません。計算ミスやケアレスミスは心の底から悔しがりましょう。ですが解法がわからなかったとしても心配する必要はありません。それは勉強して分かるようにすればいいのです。

間違えた原因

もし間違えたのならその原因を見つけ出します。そして、間違えた箇所を下線を引いて示し、その原因をコメントにして書きます。

使った公式

公式を忘れていたら、その公式をノートに書き込みます。そして、その公式使う場面はどのようなときだったのか考えます。

要約してコメントを残すことが大切

数学のノートが復習に役立たない原因は、そのノートを見ても、どんな問題を解いたのか、どうやって解いたのか、どうして間違えたのか、などが瞬時に思い出せないからです。

そうなると、もう一度最初から解く羽目になり、前回と同様の時間と労力を消費してしまいます。

ノートを開くだけで問題と解答が同時に見られ、かつ重要ポイントが自分が要約したコメントでまとめられていれば、そのノートを見るだけで以前解いたときの感覚を直ぐに呼び起こせます。

では、そのコメントの書き方をまとめていきます。

問題を要約してコメント

問題をひと言で要約したコメントを問題の上部に書きます。例えば「分数を含んだ群数列」、「数列と確率の融合」など、それを見れば問題の特徴がわかるようにします。

解法のポイントを要約してコメント

問題の全般的な解法をひと言でまとめてコメントをつけます。例えば「題意に合った領域を示し、その面積を求める」など短い文にまとめます。

要約してコメントを残す作業は全て勉強で役に立つ

数学の問題の解法が頭の中に入っているのは決して全ての手順を覚えている訳ではなく、要約された内容を覚えているのです。

ですから解いたときに得られた解き方を短い文にまとめ、それをコメントとしてノートに書き残しておけば、それを読んだときに問題を解いたときの感覚が呼び起こせます。

これは数学だけに活きるものではありません。全ての場面で有効です。なぜなら要約力こそ勉強の本質だからです。