【仮面浪人】受験の失敗を受け入れられないあなたへ

大学受験の失敗って、いったい何なんでしょう。

浪人することでしょうか。それとも滑り止めの不本意な大学に行くこと?

わたしは、そのどちらでもないように思います。

浪人なら、まだ戦いの途中ですから失敗も成功もありません。

また、行くつもりがなかった大学に通ったとしても、その後に満足できる大学生活が送れたのなら、それは、むしろ成功ではないでしょうか。

では大学受験の失敗とは何か?

それは、自分の気持ちにケリがつけられない状態に陥ってしまうことを言うのでしょう。

これからお伝えするのは、大学受験に対する自分の気持ちの決着の付け方です。

どのようなことでも気持ちに決着をつけなければ先に進めなくなるときがあります。

大学受験は当事者にとって人生の大きな岐路ですから、どのようなかたちであれ、これから向かう先を決定しなければなりません。

人生を重ねた後に思い返えせば、どの大学に進むかなんて、さほど重要ではないと知っていますが、しかし、これから大学進学を目指す子たち、または受験直後の子たちは、合格した大学の偏差値の違いが自分の人生を大きく左右してしまうと固く信じています。

ですから自分の人生を賭けて最善を尽くさなければ気が済まなくなるのです。

大学受験は、大人になるための通過点に過ぎませんが、でも、それまでには無かった重大な決断を迫られてしまいます。

決断には重要なポイントがあります。そのポイントを知らないと、モヤモヤした気持ちを引きずることになってしまいます。

決断には、次のようなポイントがあります。

  1. 正解は自分で作る覚悟を持つ
  2. 相談はするが最後は自分で決める
  3. 結果がどうであれ人のせいにしない
  4. 全ての責任を自分で負う

これらのポイントをあやふやにしたままに決断すると先に進めなくなってしまうのです。

受験の前から決めておくべきこと

行きたい大学を決めて、それに向かって受験勉強してきたとしても不本意な結果になることはあります。

そのとき自分はどうするか、前もって、はっきりと決めて置かなけれないけないのですが、それをしなかった人が大学に入ってから仮面浪人とか考えてしまうのですね。

全力で戦って、その結果として行ける大学が決まるのなら仮面浪人なんて考えないでしょう。

大学受験に対して生半可な気持ちで取り組んでしまうと、その結果を受け入れられない状態に陥ってしまいます。

第一希望の大学に落ち、ここなら行ってもいいと考えていた大学も全部ダメで、受かっても行くつもりはないと思っていた大学にかろうじて合格した場合、選ぶ道は、合格した大学に素直に行くか浪人して再挑戦するかです。

ここで浪人をして再挑戦するとはっきりきめられるのなら問題は少なくなります。

1、2年の遅れなんてすぐに取り返せますから、その期間を受験勉強に全力で取り組めばいいだけです。

もちろん、このときこそ決断のポイントをしっかり押さえておいて下さい。

ところが自分の心に嘘をつき、周囲の状況に流され、なんとなく進路を決めてしまうと、自分の気持ちに決着を付けられず受験の失敗となってしまいます。

このようなときには、いったいどうしたらいいのでしょうか?

受験を失敗した時の行動

受験を失敗したとき、取るべき道には次のような選択肢があります。

現在の自分を受け入れて先に進む

受験勉強に真剣に取り組み、その結果として行ける大学が決まるのであれば、それがどんなに不本意だったとしても自分の行くべき場所として、その大学を受け入れるべきでしょう。

もしそれが受け入れられないのであれば、受験勉強に後悔が残っている証拠です。その後悔の解決方法は、真っ先に浪人して再受験することが思い浮かぶでしょうが、ちょっと視線の方向を変えて、受験の失敗を大学進学後のステージで挽回しようと考えたらどうでしょうか。

大学はただの器に過ぎません。その中で自分にとって有意義な授業や友人関係、先生との交流などを見つけていくものです。

行った大学に満足できないのは、大学というものが自分に何かを無条件に与えてくれる場所であって、その与えてくれるものの価値は、偏差値が高い大学ほど高いと盲信しているからではないでしょうか。

大学は無条件に何かを与えてくれたりはしません。自分から得ようとしなければいけないのです。自分から得ようととする力が今後の人生に役に立つはずです。

いま通っている大学をよく知る

行きたい大学ならパンフレットやウェブサイトで詳しく調べて知っているかも知れませんが、行くつもりのなかった大学については、偏差値以外には気にも留めなかったかも知れません。

せっかく合格できて、すでに通っているのなら、いま在学している大学について詳しく調べてみてはどうでしょうか。

たとえば卒業生にはどのような人物がいて、その人がどのように活躍しているのかとか、どのような教授がいて、その先生がどのような研究をしているのかとか調べてみましょう。

いろいろと調べてみると「いい大学じゃないか」と気づけば、むしろ、この大学に出会えて幸運だったと気づくかもしれません。このように自分から積極的に結果を受け入れていくのであれば、あなたの大学受験は決して失敗ではありません。

大学ではなく自分に価値をつけていく

再受験を考える理由は、大学を短絡的にレベル分けしていて、今通っている大学が、自分が通うべきだと思っていた大学よりも、はるかに下のレベルなので、そんな大学に通っている自分が許せなくなっているからではないですか?

そのように大学に対してレベル分けをしてしまうような人は、ネームバリューであったり偏差値だけで大学の良し悪しを判定しているようです。

そのような人が満足できる大学というのは、その大学に通っているという事実によって、その大学に見合うだけの価値が自分にもあると安心させてくれるような大学のことをいうのでしょう。

でも大学の名前であなたの価値が決まったりはしません。むしろそのような空虚な価値観でしか大学の価値を判断できないような未熟な人格を反省するべきです。

他者によって価値をつけてもらうのではなく自分自身で価値をつけていったらどうでしょうか。大学の名前で自分の価値を表現するなんて愚かではないですか?

自分自身に価値をつけていくなら、どのような大学に通っていても可能です。

たとえば大学の在学中に英語と中国語をマスターしてしまうとかはどうでしょうか。

英語だけでは当たり前なので、英語の他にもうひとつの言語を習得すると社会の中での戦闘力が上がります。

またはウェブ上のビジネスを学んでみるとか、プログラミングを学んでみるとか、ライティングを勉強するとか、個人的なスキルをつけるようにしてみてもいいでしょう。

大学に期待するのはやめて、自分を磨いていった方がよくないですか?

あなたが上位の大学に行けなけった悔しさはよく分かります。だったらその悔しさを別の方向に向けていくのも受験を成功に変えるひとつの方法です。

受験に再挑戦する

それでも気持ちの決着がつかないのなら再挑戦するしかないかもしれません。

ただし何の決意も覚悟もなく再挑戦したら、また同じ結果を招いてしまう危険があります。後悔と挫折を上塗りするようなことには絶対にしないでください。

そこで、もう一度決断に必要なポイントを確認します。

  1. 正解は自分で作る覚悟を持つ
  2. 相談はするが最後は自分で決める
  3. 結果がどうであれ人のせいにしない
  4. 全ての責任を自分で負う

これらの決断のポイントを受け入れて再挑戦するのなら、やるしかありません。

再挑戦の仕方には次のような方法があります。

大学を辞めて浪人する

入学できた大学に通っていても、やっぱり後悔が残って先に進めなくなってしまったなら、スパッと大学を辞めて浪人する方が本当はいいのです。その方が気持ち的にすっきりしますし、自分を後のない状態に追い込んで勉強に打ち込めます。

ただ、この決断は、あらゆる点で困難が付きまといます。それは次のような点です。

親になんて言う?

せっかく大学に入れてくれた親の気持ちを台無しにして、また受験するなんて、とても親には言えませんね。

でも本当に再受験したいのなら率直に親に話すべきです。再受験したい気持ちが真剣なものなら尚更です。もちろん反対されるでしょう。でも、それを押し切ってでもやりたいという気持ちを明らかにしなければ再受験にかける意気込みを示せません。そして自分に対しても厳しさを思い知らせる意味もあります。

大学を休学して再受験する

再受験して望みの大学に進学できるのであれば現在通っている大学の学生としての籍は必要なくなりますが、もしだめだった場合、せっかく合格できた大学の籍を無駄にしたくない気持ちもわかります。

現在の大学に籍を置いたまま、すべての力を受験にむけるために大学を休学するという手もあります。

大学を休学するには手続きが必要なので、どうしても親に知られてしまうでしょう。

また休学には、大学ごとに条件があるので、その点もくりさせる必要があります。

ですからこの場合でも親に相談する必要があります。

では本当に一年休学して再受験はあり得るでしょうか?

もちろんやることはできます。しかし、そんな生半可な気持ちで再受験する人の決意の弱さを感じます。

もし受験にまた失敗しても復学すれば大丈夫だという保険をかけておく訳ですよね。

決意の弱い人が再受験して成功するのでしょうか。そして実際に休学して再受験し、もしまた失敗したら、本当にその大学に復学して勉強を続けられるでしょうか?

それができたとしても今度は1年間を無駄にしてしまったことに後悔するかもしれません。

もし再受験するのなら絶対に希望の大学に合格するべきで、休学して受験し、だめだったら復学するというような都合の良い考えを持つようなら、最初から再受験なんてするべきではないと思います。今通っている大学を馬鹿にせず、良いところを積極的に見つけて、その場所で勉強を続けるのをお勧めします。

大学に通いながら再受験する

これが本当の「仮面浪人」ですね。

大学を辞めたり休学して再受験するには、どうしても親に理解してもらわなければなりません。親には知られずに再受験するには仮面浪人しかなくなってしまいます。

わたしは仮面浪人には消極的な立場です。やるべきではないと思います。でも実際にやる人はいますね。

やる人の立場で考えて、おなじ仮面浪人でも、やってみるしかない人と絶対しない方がいい人がいると思います。

やってみるしかない人

同じ仮面浪人でも、再挑戦する人のレベルで違いが出ます。

このレベルというのは、その人の学力もありますが、自立心の強さを意味します。

第一志望の大学のレベルがかなり高く、レベル的にそれに準じた大学に進学できているにも関われず、どうしても第一志望を諦められなかった人が仮面浪人になる場合を考えます。

このような人は再受験をしなければ気が済まない状態が強いと思われます。

第一希望の大学には落ちたとはいえ、大学受験にある程度の結果を出せているのは学力差というより自立心の強さによるものです。

自立心が強いだけに目標を達成できなかった自分が許せないのです。

それではなぜ、それだけの学力と自立心があったのに、どうして浪人せずに仮面浪人なんて選んだのかは、実際のところは、それを決めた本人に聞いてみるしかないのですが、それでも、ある程度の想像ができます。

本人が第一希望の大学の合格に拘っていても、そこそこの大学に合格できてしまうと、周囲が浪人などせずに合格した大学に行くことを強く望む傾向にあります。

それは親にしても学校にしても、塾も家庭教師も同じです。

そして本人も同様で、それまで一生懸命に勉強してきたのに第一希望の大学が不合格になってしまったら、すぐにまた必死の勉強を繰り返す気持ちにはなれず、気持ちが途切れてしまいます。

そのため「合格できた大学でいいか」と一旦は納得するのですが本心は違っています。

その本心を誤魔化しながら合格できた大学に通い始めたとき、本心がムクムクとそれが蠢くようになります。どうしても諦め切れていない自分に気づくのです。

「やっぱりあの大学に行きたい」となってしまったら、もう歯止めはかかりません。

そうなると再受験を考えますが、もう通い始めてしまった大学を辞められない事情を自分で作ってしまっているので仮面浪人を選ぶしかなくなるのです。

大学の入学金も授業料も払ってもらっているのに、そこを辞めて再受験するなんて、とても親には言えないので、それならこっそり受験し、目標とする大学に合格した後に事実を話せば、きっと再入学を許してもらえるだろう、という公算を心に抱いているでしょう。

最初から諦め切れなければ、不本意な大学に行くことなく浪人を決意すればよかったのです。それができなかったので仮面浪人を選ぶことになってしまったのです。

このような人は、もはや再受験することでしか気持ちの決着をつけられません。

でも、これにはかなりの危険性の伴った覚悟が必要です。その覚悟の強さが再受験の結果に大きく影響します。これが中途半端な決意なら再受験はやめたほうがいいでしょう。

また、仮面浪人という道を選んでしまうと、とてつもない孤独とも戦わなければなりません。

「わたし仮面浪人なんです」と友だちに言ったりできませんよね。だれにもバレないようにしなければなりません。

仮面浪人する人は確かにいます。そして再受験の結果、望み通りの大学に合格する人もいないわけではありません。

それぞれいろいろな事情があって仮面浪人するしかない場合があるのも理解できます。

しかし、なぜか私はそのような人の性格に疑問を持ってしまいます。

どうしてもいきたい大学があるのなら、それが不合格になったとき、どうして最初から浪人しなかったのでしょうか。

または今通っているのが不本意の大学だったとしても、いったん行くと決めたのなら、どうしてそれを貫こうとしないのでしょうか。

そこに人間的な弱さを感じてしまいます。でも気持ちの決着がつけられなくなった人は再受験するしかないでしょうね。

再受験して行きたかった大学に行けるようになっても、またはもう一度不合格になっても、やってみるしかないのでしょう。

そして実際に再受験してみて、後ににって仮面浪人なんて何の意味もなかったと気づくのであれば、そのときこそ先に進めるのでしょう。

はっきり気持ちに決着をつけられないのは、今後どのような方向に進んで行くにも弱点になります。

成功も失敗もしっかり受け止められなければ先に進めません。

仮面浪人しようと決めた人は、その弱点を持っていると知るべきです。

このような理由で仮面浪人は勧められません。どうしても再受験するのなら退学して浪人するべきです。それくらいの覚悟がなければ合格は見込めません。それができないのなら今通っている大学に価値を見出した方がいいと思います。それは決して敗北ではありません。

でも、しかし、あらゆる状況から考えて仮面浪人するしかないと決めるのであれば、その決定は尊重します。あなたの人生はあなた自身が決めるしかないからです。その先に後悔が待っていたとしても、そう決めたのなら仕方ありません。だとしたら絶対に合格してください。合格できなければ仮面浪人したという事実が長くあなたの意識の中にこびりつくでしょう。

仮面浪人はしない方がいい人

ある程度は勉強したのに第一志望が不合格となって、しかも満足できる併願校にすべて落ちてしまい、行く気もなかった大学に仕方なく進学してしまったような人が仮面浪人を考えるのは絶対にやめた方がいいでしょう。

なぜなら、ある適度は勉強したのにもかかわらず、まったく結果が出なかったのなら、仮面浪人をして再受験しても同じ結果になる確率が高いからです。

もしそのようなひとが本当に再受験をするのであれば全力で受験勉強に取り組めるような環境を作った上での話となります。仮面浪人だけは絶対しない方がいいと思います。

できるのであれば再受験は諦めて、今通っている大学の良さを見つけてください。そこで出会った友だちも大切にしてください。そして、そこで勉強に打ち込んでください。その方がきっとこの先に良い結果が待っていると思います。

仮面浪人した結果はどうなる?

さて仮面浪人をして再受験した結果、念願の大学に合格したとき、どれだけの満足感が得られるのでしょうか。

あのとき、あんなに我を張って再受験した意味って、いったい何だったのだろうと自問自答してしまうかもしれません。でも、これで先に進める気持ちにはなるので無駄ではないですし、自分の気持ちを貫いたことが自信になるかもしれませんね。

わたしとしては仮面浪人をして再受験するのは勧められません。

それよりも、その時の結果を素直に受け入れて、次に進むべき道を切り開いた方が、よほど有意義な人生を送れるようになると思うのです。

大学受験に失敗したのは、それは悔しいでしょう。

レベルの高い大学に行けたからといって、決して自分がレベルの高い人間になれるわけではありません。

というよりも大学の少しのレベルの差に気持ちを右往左往されてしまう自分の弱さを知るべきです。

でも、しかし、それでも仮面浪人すると決めるのであれば、致し方ありません。あなたの人生ですから、この先は次のポイントをしっかり押さえて決断してください。

  1. 正解は自分で作る覚悟を持つ
  2. 相談はするが最後は自分で決める
  3. 結果がどうであれ人のせいにしない
  4. 全ての責任を自分で負う