三角関数早見表の使い方を説明します。これを使えば三角関数の値や不等式がすぐに求められるようになります。
また、使い慣れてしまえば、この早見表のイメージが自然と頭の中に浮かぶようになるので、即座に三角関数の値を導き出せるようになります。

目次
三角関数の角度から値を求める
角度から三角関数の値を求める方法を説明します。
サインの値を求める
例えば

の値を求めてみましょう。
角度を選択する
先ずは早見表の単位円の周上に書いてある角度を選択します。ここでは弧度法を用いています。

y軸に垂線を下ろす
単位円周上の角度の値から y軸に垂線を下ろします。

y軸上の値を読み取る
y軸上の値を読み取ります。

この値がサインの値です。

コサインの値を求める
次はコサインです。例えば

の値を求めてみます。
角度を選択する
単位円上の角度を選択します。

x 軸に垂線を下ろす
コサインの場合は x軸に垂線を下ろします。

x 軸上の値を読み取る
x軸上の値がコサインの値になります。


タンジェントの値を求める
角度を選択する
単位円周上から角度を選択します。

単位円の中心を通る直線を引く
角度を得た単位円周上の点と原点を結ぶ直線を引きます。

直線 x = 1 軸上の値を読み取る
その直線と x = 1 の直線との交点を見つけます。

そこに書かれた数値がタンジェントの値になります。

三角関数の値から角度の求める
今度は三角関数の値から角度を求めてみましょう。
サインの角度を求める

サインの値を選択する
y 軸上の値がサインの値です。

y軸から垂線を伸ばす
その点から y軸の垂線を伸ばします。

角度を読み取る
その直線と単位円との交点を見つけます。

単位円周上にある値が求める角度です。

コサインの角度を求める
今度はコサインです。

コサインの値を選択する
コサインの値は x 軸上にあります。

x軸から垂線を伸ばす
コサインの値から x軸の垂線を伸ばします。

角度を読み取る
その直線と単位円周上との交点を見つけます。

単位円周上に書いてある角度を読み取ります。

タンジェントの角度を求める
タンジェントも求めてみましょう。

タンジェントの値を選択する
タンジェントの値は直線 x = 1 上にあります。

直線を伸ばす
直線 x=1 上のタンジェントの値の点と原点を通る直線を引きます。

角度を読み取る
その直線と単位円周との交点を見つけます。

これが求める角度です。

三角関数の不等式
不等式も求めることができます。
サインの不等式
今度は範囲を求めることになります。

y 軸上でサインの値の範囲を示す
サインの値は y軸上で示されます。

単位円周上で範囲を示す
この範囲内の複数の点から y軸に対する垂線を伸ばします。

その直線と単位円周上の交点の範囲を示します。等号、不等号には十分注意します。

コサインの不等式

x 軸上でコサインの値の範囲を示す
コサインの値は x軸上で示さています。

単位円周上で範囲を示す
この範囲内の複数の点から x軸に対する垂線を伸ばします。

ここで注意したいのは θ の定義域です。今回の θ の定義域は次のような範囲でしたね。

この定義域内で角度の範囲を求めていきます。
cos 0 は1ですから、これも答えに含まれることに注意しましょう。不等式では、もとの不等式に等号がないからといって、答えにも等号がないとは限りません。答えは次のようになります。

タンジェントの不等式

直線 x = 1 上でタンジェントの値の範囲を示す

単位円周上で範囲を示す
直線 x = 1 上の範囲にある点と原点を通る直線を複数引いていきます。その直線と単位円周との交点を円周上で結んでいきます。

その範囲を不等式で表します。ここでも θ の定義域には十分注意しましょう。

本当は早見表なんて使わないのが正解!
ご覧のとおり、この早見表は、三角関数の定義そのものを図にしたものです。
最初のうちはこの早見表を使って三角関数の値を求めて下さい。
でもしばらくすれば、この早見表が自然と頭の中に浮かぶようになるので、いちいち調べる必要がなくなります。
しばらく練習すれば、上に示した程度の計算は暗算ですぐに求められるようになります。試してみて下さい。