数列の中でも群数列を苦手にしている人は多いですね。解法をイメージするのが難しいようです。
そこで今回は群数列の解くコツを説明していきます。
これを知ってもらえれば、今まで群数列の問題が解けなかった理由がわかります。
目次
そもそも群数列って何なの?
群数列は、ある数列を規則に従って群に分割していったものです。
例えば、初項が1で、公差が2の等差数列は次のようなものですが、

これを、先頭から1個、2個、3個、と分割していきます。

分割されたひとつひとつの数のまとまりを「群」と言います。
なぜ群数列は難しいのだろう
群数列が難しく感じるのは、その項が初項から何番めなのかという「項の順番」の問題と、その項がどんな値になるのかという「項の値」の問題が、ごっちゃになってしまうからです。
それを分けて考えることができれば群数列の問題は楽に解けるようになるのです。
「項の順番」と「項の値」って何なの?
「項の順番」と「項の値」とは何を言っているのか、等差数列で確認しておきましょう。
例えば、初項が1で公差が2の等差数列の一般項は以下の通りです。

この一般項でnが「項の順番」です。例えば初項から10番目の「項の値」が何であるか知りたければ、nに10を代入すれば求まるのですね。
この「項の順番」と「項の値」をちゃんと理解することがポイントです。
群数列の具体的な解き方
では、群数列の解き方を具体的に説明していきますね。
数列は、一般項を求めることで、初項から何番めなのかが分かれば、その項の値を求めることができます。
具体的な数列で考えてみます。
初項1、公差2の等差数列の一般項は、項数を m として次の式で表すことができます。

この m に初項から何番目という項数を入れれば、その項の値を求めることができるわけです。
つまり m という「項の順番」がわかれば「項の値」が求まるのです。
群数列の問題はどんなもの?
群数列の問題で多いのは第n群の先頭の値を尋ものです。
ですから第n群の先頭が最初から何番目なのか、つまり「項の順番」がわかれば、その値、つまり「項の値」が求められるはずです。
もういちど群数列の問題を確認しよう
群数列は、数列をある規則に従って群ごとに分割していったものです。
例えば、先に述べた初項1、公差2の等差数列を次のように、1群は1個、2群は2個、3群は3個、という具合に群に分けていったものを考えてみましょう。

ここでは先頭から何番目なのか順番にだけ着目したいので各項の値を青丸で表します。
つまり「項の値」は一旦わすれ、「項の順番」のみに着目します。

この群に分けたものの先頭から第1群、第2群、…と名付け、見やすいように縦に並べます。
そして(n – 1)群の最後の項が先頭から何番めなのか考えます。

これが重要なポイントとなります。
次のように各群の最後に着目してみて下さい。

それぞれの群の最後の項は、それまでの群に含まれる項の個数の和と一致であることがわかります。
そうすると( n – 1 )群の最後の項は

ですね!
これで第( n – 1 )群の最後の項は初項から何番目なのかがわかりました。
シグマの計算は大丈夫ですか?
ここで数列の和の公式を使って計算しておきましょう。

今回使う公式は次のものです。

でも今回気をつけてほしいのは n 項までではなく、n – 1 項までである点です。次のようになります。

これで第 ( n – 1 ) 群の最後の項が最初の項から何番目なのかわかったので、
その次の第 n 群の先頭の項は、
第 n – 1 群の最後の項のひとつ隣であることに注意すれば、
第 n 群の先頭の項の値がわかります。

さあ、これで第 n 群の先頭の先頭の項が最初から何番目なのかわかりました。
さて、そもそも群に分ける前は次のような数列だったのですね。もういちど一般項を確認しておきます。

この m にさっき求めた第n群の先頭の項数の式を代入すれば、第n群の先頭の一般項を求めることができます。

これは n = 1 のときも成り立ちます。
これで第 n 群の先頭の値、すなわち先頭の「項の値」がわかったのです。
まとめ
群数列を解く場合のポイントはつぎのとおりです。

