【条件付き確率】わからないなら、このやり方でやってみよう!

確率はそこそこわかるのに、条件付き確率だけは苦手だという人がいます。

なぜでしょうか。

白状しますと、わたしも苦手でした。

わたしが条件付き確率を克服できたのは、なんとも意外な理由からでした。

実は、国語力の問題だったのです!

つまり問題文が何を言っているのか、完全に把握できていなかったために、条件付き確率の問題が解けなかったのです。

だからと言って「国語力をつけてから条件付き確率を解こう」なんて悠長なことを言うつもりはありません。

ここでは最低限の国語力で条件付き確率の問題が解けちゃう方法を紹介します。

問題文をしっかり読もう

どの科目でもそうですが問題の内容が把握できていなければ解けません。

それは条件付き確率でも同じです。

でも数学の問題には特徴的な言い回しがあり、そのパターンを理解してしまえば、それほど苦労しなくても「問題文」から答えを求める「式」に変換できるようになります。

ここでは「問題文」を少し読み替えて「式」にしやすくする方法を紹介します。

条件付き確率の公式を確認しましょう

条件付き確率が解けるためには、条件付き確率の意味をよく知って、その上で公式を上手に使えるようになるべきですが、ここでは問題文の把握に焦点を当てたいので公式から始めることにします。

では公式の確認から始めましょう。

条件付き確率を求める公式は次のようなものですね。

この公式が示すとおり、条件付き確率を求めるには、

事象 A と事象 B がともに起きる確率」を

事象 A が起きる確率」で割ればいいのですね。

ですから、このふたつの確率を求める内容が問題文のどこにあるか、それをはっきりさせれば問題を解けるようになります。

条件付き確率の例題1:玉の抽出

では、具体的な問題で考えてみましょう。最初は比較的わかりやすいものからです。条件付き確率の例題でよく出されるものです。

袋の中に赤玉4個と白玉5個が入っている。赤玉には1から4の数字が書かれ、白玉には1から5の数字が書かれている。この袋の中から1個の玉を取り出して、その色が白だったとき、その玉に書かれた数字が奇数である確率を求めよ。

さて、この問題で条件に当たるところはどこですか?

そうですね、「この中から1個を取り出して白玉だったとき」というところですね。

この文で「この中」とは「袋の中」のことです。そして「白玉だったとき」と言っているので「色」にだけ着目しています。つまり数字は考えません。

では、この条件の部分を見慣れた文に直してみましょう。

4個の赤玉と5個の白玉が入った袋の中から1個を取り出してそれが白玉である確率

これだったら求められますね。

この確率が、公式では、 

A ••• 白玉を取り出す

というものです。実際の値を求めてみます。

全部で9個ある玉の中で白玉は5個ですから、この確率は、

となります。

次に「この条件」かつ「奇数」になる確率を求めます。

つまり「白玉かつ奇数」の確率です。

この求めた確率が、公式では、

A ••• 白玉を取り出す, B ••• 奇数を取り出す

というものです。

「白玉かつ奇数」である玉は「白1」「白3」「白5」の3個ですから、9個ある全ての玉からこれらを取る確率は、

となります。

ですから今回求める条件付き確率は、

と計算できます。

このように問題文から必要な確率を求めれば、あとは公式に当てはめるだけです。

ただし問題文が式にしやすいかどうかで難易度が違ってきます。

次の例ではもう少し条件が見えにくくなっています。

条件付き確率の例題2: アンケート

ある商品の満足度を調べるアンケート調査が行われた。アンケートに答えてくれた人の総数は300人で、そのうち120人が男性だった。男性の50%と女性の75%が満足していると答えた。この商品に満足しなかったと答えた人が女性である確率を求めよ。

この問題では、人数とパーセントがごっちゃになってしまっているので、あとの計算のために人数で統一しておきましましょう。表にまとめておきます。

この表の作り方は省略しますが、大丈夫ですよね。

MEMO
全体を1や100として各項目を割合で示した表を作っても解くことができます。

さあ、問題文から必要な情報を抽出していきましょう。今度の問題で条件に当たる箇所はどこでしょうか?

少しわかりにくいですね。

この問題で求めるのは、

この商品に満足しなかったと答えた人が女性である確率

ですが、この文を条件がはっきり分かるように書き換えてみます。

無作為に選んだ人が満足しなかったと答えた場合、その人が女性である確率はいくらか。

これなら条件は、

無作為に選んだ人が満足しなかったと答えた場合

とわかります。

つまり300人からひとりを選んで、その人が満足しなかったと答える確率を求めればいいのです。

これが

A ••• 満足しない

です。

表から満足しなかった人は男性の60人と女性45人の合計105人です。よって300人から無作為に選んで、その人が「満足しなかった」と答える確率は、

です。

次に「この条件」かつ「女性」の確率を出します。

また表をよく見てくださいね。満足しない女性の数は45人です。

よって300人から無作為に選んで「女性かつ満足しない」の確率は、

A ••• 満足しない, B ••• 女性

です。

したがって、この商品に満足しなかったと答えた人が女性である確率は、条件付き確率の公式に当てはめて、

と計算されます。

理由がわかれば対策できる

例題をみれば解き方は理解できるけれど、別の問題を自分の力で解こうとしても、なかなか解けない場合は、問題文を把握する国語力が足りない可能性があります。

つまり、問題がわからなかったというよりも問題文が読み取れていなかったのです。

この点を素通りしていると何時まで経っても問題が解けるようにはなりません。

もし条件付き確率の問題に何度もチャレンジしても解けるようにならなかったら、問題文の読み取りに焦点を当てて対策してみてください。

そうすれば条件付き確率が解けるようになりますよ。